プライベートバンカー カネ守りと新富裕層
プライベートバンカー カネ守りと新富裕層 / 感想・レビュー
KAZOO
著者はもと読売新聞の記者でジャイアンツ関連でナベツネに叛旗を翻して追い出された気骨のある方なのですね。ノンフィクションかフィクションかどちらかわからないのですが、シンガポールを舞台にした資産運用がらみと国税庁などの動きを書いてくれたものなのですね。私はスイスの運用機関のはなしだと思ったのですが最近の日本の新富裕層やアジアを中心とした金の動きを扱ったものでした。それなりに楽しめました。ドラマにでもなりそうですね。
2018/01/17
はたっぴ
日本の債務残高は突出して悪く、ギリシャやイタリアの比ではない。社会保障費が増大していく中、国家を存続させていくために様々な施策が打たれているが、真の富裕層の資産が日本を離れつつある。『しんがり』を描いた著者が、今回再びリアルな金融の世界を取り上げた。国内では貧困層が拡大する一方で、富裕層のお金が日本を脱出する二極化がこれからも続きそうだ。少子高齢化と富の二極化。国が国民のライフデザインをどう描こうとしているのか、この作品から透けて見えるようだ。小説として単純に楽しめたが、将来に暗澹とする読後感だった。
2016/09/16
Lara
面白かったです。初っ端、シンガポールに移住されたお金持ちの話「退屈で仕方がない」とは、一体どういうこと?「語学学校、居酒屋、日本人キャバクラと、行くパターンが決まってしまう」しかし、語学と言っても、英語、仏語、独語等あり、そもそも語学の習得には、結構な時間が掛かりますがね。そのお金持ちの方々、資産額を減らさないように、いろいろご苦労があるようです。それを手助けする銀行員、なかなか熾烈な競争を強いられ、且つ尋常でない仕事量。いろんな人生がありますね。しかし、使い道を悩む程のお金、一度体験してみたいです。
2020/02/20
TATA
清武さんは山一を描いた「しんがり」以来。シンガポールでの富裕層向けの運用ビジネスを仕掛ける日本人。困難な業務を完遂した達成感や痛快な思いを感じた「しんがり」とはかなり異なり掘り下げとかも浅い印象。守銭奴のなれの果てという風情の登場人物も多く、読後感はバツ。まあ、別世界を垣間見たということですかね。こちらが999冊目、いよいよ次で大台だ。
2017/07/04
R
実話、実名を出しながら、新富裕層と呼ばれる人種の資産を運営するスキームについて明らかにしたノンフィクションでした。節税や脱税を悪とするといった見地からは離れて、新富裕層の人となり、その悩み、それにこたえる業種についてクローズアップしていて大変興味深い。描かれた世界は、自分には見ることも叶わないものではあるが、憧憬や羨望、嫌悪や嫉妬を覚えることもなく読めて、富貴に取りつかれることの不気味さが感じられました。
2016/12/09
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