告白 三島由紀夫未公開インタビュー
告白 三島由紀夫未公開インタビュー / 感想・レビュー
優希
三島の未公開インタビューをこのような形で読めることを嬉しく思います。作品とは異なる素の姿で見ているものに思いを馳せながら読みました。9ヶ月後に自決の道を選ぶのですが、それまでの時間、いかに物事を見つめ、考えていたのかと想像させられます。
2017/12/24
とろこ
自決の約9ヶ月前に録音されたと推定されるインタビューの書き起こしと、「太陽と鉄」という批評文が掲載されている。文学に限らず、芸術を自己表現の手段とする人が多いが、三島は、自分を隠す為に書き始めた。そこから「言葉」に対する失望が始まり、「あるべき現実」「あるべき肉体」と、造形美へ傾倒、文体も自らの筋肉に相応しいものとした。自らの作品の欠点を、劇的過ぎる、ドラマティック過ぎると語る。諸作品からも漂う独特の美意識と生死観。なぜあの最期でなければならなかったのか、その理由の一端が垣間見えた。
2017/09/28
とくけんちょ
再読するも、太陽と鉄は難解。三島由紀夫は、筋肉が本当に好きだったのだろう。コンプレックスからの反動というものはよくあること。美に対しての欲求や感覚の鋭さは危ういほど。美的感覚に反することに関して、妥協ができなかったのだろう。
2023/10/01
みや
自決9ヶ月前の未公開インタビュー、自己剔抉『太陽と鉄』、音源発見者によるあとがきの3部構成。言葉への執着〜肉体の獲得〜軍事訓練への傾倒に至る三島の内的世界の変遷が伝わる。しかし『太陽と鉄』のこじらせ感は私の理解を超え、「ちょっと何言ってるか分からない…」と突っ込みたくなること度々。浅学な私には「体を鍛え、皆と苦しい体験を共有して乗り越えれば、気分爽快!」といっているようにしか読み取れなかったが、そのように単純に折り合いをつけられず、破滅したとしたところに非凡の才の証があるのだろう。
2021/10/15
ちゃっぴー
自決より9か月前にされた未公開インタビュー。ウィスキーのソーダ割り片手にザックバランに語っていて面白く読んだ。自身の文学の欠点を、小説の構成が劇的過ぎると語っていた。「太陽と鉄」は難解。
2017/12/11
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