「国境なき医師団」を見に行く
「国境なき医師団」を見に行く / 感想・レビュー
naoっぴ
著者はジャーナリストではないし、MRF(国境なき医師団)の活動に対して専門的知識があるわけでもない。一個人としてMRFの現場で感じたことをそのまま書いた紀行本のような一冊。だから却って難民や貧困層の人道支援に対し構えることのない等身大の感想で身近だった。どこにでもいる普通の家庭の人がある日を境に命が脅かされ難民となること。もしかしたらその困難の人は自分だったかもしれない。そしてよくぞ困苦を生き抜いたという畏敬の念。“他者ではなく自分”そんな気持ちが人を支援に向かわせるということを教えてもらった。
2018/01/29
けんとまん1007
飾られたものではなく、実際に自分の眼で見て、肌で感じることの重要さが滲み出ている。自分の生活も楽しむ一方で、ほとばしるような思いと、凄まじいばかりのエネルギーを持って、本能的に一人の人間として活動する人たちがそこにいる。しかも、対象となる人々への尊厳を大切にし、それを前提としての活動。本文中に何度か出てきたフレーズ「今の日本人が無くしたもの」・・・これが、すべてを物語る。勇気が出る1冊だ。
2018/05/09
テクパパザンビア
面白かった。『国境なき医師団』のメンバーや活動に敬意を表させてもらいます。たまたま彼らだった私&難民の方々&人のためになりたい…ただただ頭が下がります。私もそろそろ誰かの役に立つ頃だとは思ってるんですが何も出来ない情け無い無力を痛感します。
2020/04/20
こばまり
ジャーナリストでなく作家によるルポルタージュのグルーヴが私にはしっくりきた。内情を知るよい機会になった。今般のコロナ禍でも世界各地でさぞやとホームページを確認したら、長崎に停泊していたイタリア籍クルーズ船や杉並区でも活動していた。頭が下がる。
2020/07/12
ぶんこ
『国境なき医師団』は、災害地へ短期間派遣されて行く医師、看護師のことと思っていました。災害だけではなく、紛争地での難民援助は医療だけではありませんでした。大震災後のハイチ、ギリシャでは中東やアフリカからの難民援助、フィリピンでの貧困、ウガンダの南スーダンからの大規模難民援助。そこには医療はもちろん、性暴力からの心身両面からの保護、バースコントロール。そして創り上げた援助体制を現地の人自らが運営するまでを目指す。いとうさんの文章の隅々にまで援助をされる方、与える方への尊敬の念がうかがえて感動しました。
2021/05/22
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