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雪子さんの足音

雪子さんの足音

雪子さんの足音

作家
木村紅美
出版社
講談社
発売日
2018-02-02
ISBN
9784062209830
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ジャンル

雪子さんの足音 / 感想・レビュー

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starbro

第158回芥川賞受賞作・候補作、3作目(3/5)です。木村紅美、初読です。候補作品1作のみなので、帰りの電車で一気読みでした。都会の人間関係の距離感と孤独死を考えさせられる作品、テーマの割には暗さが控えめな内容です。芥川賞受賞には少し暗さが足りなかったのかも知れません。

2018/02/19

雪風のねこ@(=´ω`=)

前半期同賞候補となった4時過ぎの船に主題が似ているかな。人は誰しも、誰かを気遣い、気遣われたいと願うものである。それを自分の都合の良い所だけを千切って他は棄ててしまうのは、まだまだ子供と言えよう。それじゃあ人に好かれる事も、小説を書く事も出来まい。何か現代における少子化の遠因ともなった様な感じがして、少々肌が粟立つ感じもする。墓参りしてやれよ、薫。小野田と一緒にね。そうでなければ、他人どころか自分すらも愛する事は出来ない。永久にね。

2017/12/24

fwhd8325

薫、小野田さん、そして雪子さん。切り取った景色のようだけど、心の澱のように染みついて離れない。雪子さんの無垢であることは、美しいではなく怖さを秘めている。考えれば、それを利用しているような罪悪感もある。時代が流れ、景色の変化も映し出されるが、あの頃の景色は、むしろ鮮明になって記憶を呼び起こしてしまう。切なさと同時に、時の流れ、人生は常に残酷さと背中合わせにあるのかもしれない。

2018/05/22

ででんでん

息子を亡くした70歳くらいの雪子さんの孤独、そこから来ると思われる若い店子へのものすごい介入ぶりは、断ろうと思えばシャットアウトできるのではないか(留守中に入られるのは無理だけど)。雪子さんがそうなる気持ちもわからないことはない。(息子の存在は逆に彼女にとってストレスでもあったかも?)。それよりも私が不快に感じ、理解できなかったのは、その介入をしぶしぶ?受け入れ、当然のように差し入れのごはんのメニューを指定する薫。そして小野田。彼が主人公(語り手)なので、共感がしづらく、最後まで違和感を抱いたままだった。

2018/07/02

なゆ

大学生の頃に住んでたアパートの大家さんだった雪子さんが亡くなったことを知り、当時のことを思い出す。他人との距離感のとり方の難しさ、だなぁ。過剰なおせっかいが重なるともうほとんどホラーの世界。なにかに搦め捕られそうなザワザワ。え?そんな作風だっけ?こんなに優しげな表紙なのに。雪子さんの言う“サロン”もわからないではないけど、出てくる3人ともが不器用で何かズレてる。薫だって、おいしいトコは甘えてた訳だしそこはズルい。小野田さんも闇がありそうで。でもきっと、この後で改善されたんだろう、と思いたい。

2018/04/27

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