少年少女古典文学館 2
少年少女古典文学館 2 / 感想・レビュー
みのゆかパパ@ぼちぼち読んでます
平安期の古典文学である「竹取物語」と「伊勢物語」を、北杜夫と俵万智がそれぞれ現代語訳した一冊。少年少女向けの企画本としてすらすら読ませてくれつつ、充実した注釈で当時の制度やしきたりなどもわかる作りになっているので、古文に苦手意識を持った自分にもありがたい作品になっている。とりわけ、「伊勢物語」に織り込まれた短歌を、文意を損なわずに今の子どもたちにもわかる言葉で詠み変えてみせた俵さんの手腕には脱帽。折しも「読メ」では短歌がちょっとしたブームにもなっていることもあり、自分も一句という気分にさせられてしまった。
2014/10/28
千加
「竹取り物語」を大人になった今読むと認識が異なる。3ヶ月でおさげ髪を結い上げ…人の子ならうつ伏せで首が上がるくらいのはいはいもまだの頃。そして五人の男性に不可能な難題を与えて叶わず死んでしまった人までいて、姫は悪女。でも最後に帝と純愛を育みかけて結ばれずに昇天、天の衣を着せられると人が変わってしまう。帝はこの世の者ではないと知りながらも焦がれたが、別れを受け入れた。帝への手紙や和歌が胸を打つ。作られた世界のなかに切実に願ってしまう。人は愚かだけれども愛おしいと思う。美しい人の心は何年経てども変わらない。
2020/06/09
Misa
5年生向け図書館を使った授業「日本の言の葉」のため勉強中。図書館で借りた本ですが、これ欲しい!ところどころ入る挿絵にうっとりです。まるで絵巻をみているようでした。読後、挿絵画家はいせひでこさんと知り納得。手元におきたいと思いました。次は、江國香織さんの竹取物語も読んでみたいです。って、読むことに夢中で仕事がすすまない・・・
2012/06/21
たぬこ
伊勢物語について。子供向けのため、少々説明過多で物語の世界に入って行き辛いのですが、現代語訳の短歌も三十一文字なのは流石です。また、挿し絵のアンニュイな感じが、物語と良く合っていて素敵でした。
2012/09/11
nawatobi
このシリーズは現代語版作者が本当にゴージャス!挿絵もいいので児童向けだけじゃもったいない/竹取物語はいわゆるSFなのですがお爺さんを始め貴公子や帝や女房がリアルなのです。月からの使者がきてかぐや姫が手紙を書いたりして中々帰らないのをイライラする使者の様子とか、よく考えると事前に準備してもよかろうとも思ったのですがそのあたりが「人の情」なのでしょう。
2012/02/02
感想・レビューをもっと見る