図南の翼 十二国記 (講談社X文庫 おC- 11 ホワイトハート)
図南の翼 十二国記 (講談社X文庫 おC- 11 ホワイトハート) / 感想・レビュー
合縁奇縁
『恭国を統べるのは、あたししかいない』恭国は、先王が斃れてから27年。王を失くした国の治安は乱れ、災厄は続き、妖魔までが徘徊するほどに荒んでいた。首都連檣に住む珠晶は、豪商の父をもち、不自由のない生活と充分な教育を受けて育った。しかし、その暮らしぶりとは裏腹に、日ごとに混迷の様相を呈していく国を憂う少女は、王を選ぶ麒麟に天意を諮るため、ついに蓬山をめざす。「十二国記」シリーズ第8弾。いつまで経っても王が現れないことに業を煮やし、昇山する12歳の少女の物語。昇山とはどういうシステムなのか、事細かく描かれて
2017/08/04
七色一味
読破。典型的上昇志向なシンデレラ・ストーリー、という感じ? 舞台は大陸北西の恭国。供麒が生まれた後27年を経ても新王が登極しないばかりに荒れていく恭国と、身を守るのみで国の荒廃をまるで他人ごとのように見る大人たちに嫌気が差した珠晶が、家を飛び出し蓬山をめざします。 まぁ、きつい性格。そして、とことん公平で前向き、何事も自ら消化して結論づけていくその性格は、まさに王の器。その珠晶の言動には朱氏も他の従者もタジタジ。その器が、今の日本に欲しい! そして、泰麒以上になんか情けなさそうな供麒が、ちょっと哀れ(笑)
2012/08/26
南北
再読。恭国では27年間、王不在のままで治安が悪化しています。そんな中12歳の珠晶は王になることを決意して蓬山を目指します。十二国記の中では楽しく読める部類だと思いますが、一気に読むことができました。以前雁国の話で出てきた更夜が出てきたのでニヤリとしてしまいました。最後に奏国の話で締めくくったのも良かったと思います。
2019/09/08
nabe
昇山の少女、珠晶。抜群に面白かった。黄海を旅する人間達はジャングルに群れる草食動物そのものだと思う。弱者を犠牲にしてリスクを減らす。これほど過酷な道程だったことに驚きを隠せない。「自分に対しても他人に対しても己を繕うから、とにもかくにも善良であろうとする」はて、耳に痛い言葉じゃないか。珠晶のように自分の心を曲げずに生きられたらと思うし、それをやり遂げてしまうからこそこの物語は爽快なんだろう。今までの人生の全ての巡り合わせこそを器量と言うのであれば、今自分が置かれている立ち位置こそが自分自身に他ならない。
2015/05/30
風里
十二国記再読祭り中。 珠晶の幼さにイライラするが、子供とはそういうものでもある。 それぞれ抱える事情も思惑も違うから、必ずしも己と同じ答えが導かれるわけではない。 折り合いをつけるというのは、純粋な分実は子供の方が大変なのかもしれない。
2013/07/28
感想・レビューをもっと見る