歴史劇画大宰相 第1巻 (講談社+アルファ文庫 E 21-1)
歴史劇画大宰相 第1巻 (講談社+アルファ文庫 E 21-1) / 感想・レビュー
非日常口
最近のパフォーマンス過剰で中身のない政局報道は、そのバックボーンに政策と政策を実現するためぼ具体的な道筋の提示がないからだろう。米国でトランプやテッドクルーズの動画をバカにする人が多いが、日本もレベルは同じようなものなので、戦後の政局争いは国民がどういった事情のもと動いていたかを知るべきだと思う。様々な枯渇が国民にあった時の「辞任しろ」と、今の物が溢れた人がやるのでは何かが違う気がする。逆に本当にカツカツな人はそれどこりじゃないだろう。色々今とのギャップを考えるのに良い一冊。
2016/05/06
とみやん📖
面白かった。自由奔放ながら、公職追放によって、漁夫の利のようにして、自由党総裁と首相の座を手にした吉田茂。吉田学校の門下生の時代まで活写した超大作。途中で誰が誰だか分からなくなる点が煩わしいが、でも、各人の特徴を、さいとうたかを先生が捉えている。 第二部の1つ目、11章、元オーストリア大使、秋月左都夫の言葉が一番印象に残った。「失敗しても死ぬだけだ。たいしたことはないだろう」 2巻以降も手に入れたら読んでみたい。
2022/05/24
スプリント
原作は読了済みです。 漫画家されたことでより政治家群像劇が際立ちます。
2019/10/27
コリエル
戦後間もない昭和20年。日本のチャーチルと呼ばれた吉田茂政権の樹立からスタートし、数々の政治家たちを描いていく。保守や左派であるといった程度のことは描かれているが、500ページになんなんとする間中ずっと、政権首班の座を巡るいす取りゲーム・パワーゲームに明け暮れる姿ばかりというのに驚く。懐柔策に脅しすかし、情報工作とあらゆる搦め手で自分たちの有利に運ぼうとする政治家たちの姿が奇怪かつ面白い。
2018/05/02
KJ
戦後日本を俯瞰する時、これ程の教材は他に無いのではないかとも思う。まず冒頭の早坂茂三氏による解説文。踊る様に紡がれる言葉に酔わされる。文章に惚れるとはまさにこういう事かと。歴史年表にゴシック文字で記録される実績を残したか否か。権力者の価値はそれで決まる。ただその文字の背後にいるのは人間だ。正義や理想の前に好き嫌いや損得勘定で人は動く。因果応報。様々な伏線が張り巡らされ、さながら政治家という役者のドラマを見ている様な感覚になる。それがたまらなく面白い。賛否含めやはり戦後日本を立ち上げた吉田茂の存在は大きい。
2018/11/12
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