カウンセリングを語る 下 (講談社+アルファ文庫 F 1-15)
カウンセリングを語る 下 (講談社+アルファ文庫 F 1-15) / 感想・レビュー
しょうじ@創作「熾火」執筆中。
【1回目】上巻に続けて読んだ。上下とも、1985年刊行という背景もあってか、校内暴力・家庭内暴力・不登校などを「治す」対象として扱っているところに、やや古さを感じさせる。そう言えば、その問題はどう取り扱われているのだろう。下巻もするすると読んでしまった。人間「である」ことの不可思議さに畏敬の念をもつことは大切だと言っている気がする。そこがあって、「変わる」ということがいかに凄まじいものであるのかについて思いを馳せることができる。カウンセリングの限界を意識し、人間への洞察を深めることが大切だと説いている。
2018/10/11
T2y@
河合隼雄先生による『カウンセリング研修講座』での講演を纏めた下巻。 今まででの河合先生の本で1番しっくり来た。 経験から語られるカウンセリングの向き合い方、宗教との関係性など。「解が無い事が解」であり、その苦しさに寄り添う事の難しさと覚悟。 厳しく向き合う「父性」の重要性に大きく唸るものあり。
2014/07/31
佐島楓
日本の特性として、父性の欠如ということを挙げられており、非常に腑に落ちた。フロイト派、ユング派などというカテゴリーもわかりやすく表現され、さらにそれにとらわれないことの大切さなど、重要なことがたくさん書いてあった。カウンセリングとは、命のやり取りなのだなと改めて感じた。
2012/10/13
roughfractus02
上巻はロジャース3原則に沿って臨床家の態度について概説したが、本巻は現場でのクライエントの心的変化も含めた事例から理論の臨床的使用について語る。家族との関係を注視するフロイト(外向的)と個人の権力志向の扱いを注視するアドラー(内向的)のどちらも肯定し、複眼的に見るユングを例に、理論は臨床現場ではバランスよく用いることを勧める著者の根底には、「たましい」のわからなさと臨床の限界に対する認識がある。本書は、母性原理の包み込む傾向の根強い日本人の精神構造でも父性原理の切り離す力が変化を促す点に読者の注意を促す。
2023/02/23
しゅんぺい(笑)
上巻のほうがよりおもろかったと感じたけど、どっちもいい。河合隼雄さんすげー、いまさらやけどこのひとの本は読むべきやと思った。
2021/05/18
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