乱世玉響: 蓮如と女たち (講談社文庫 み 11-7)
乱世玉響: 蓮如と女たち (講談社文庫 み 11-7) / 感想・レビュー
佐島楓
蓮如というひとは、正直申し上げて、よくわからなかった。しかしこの時代にあった残虐さ、浅ましさ、女性の扱いというものは、目に見えるようであった。皆川さんの筆にかかると、滴り落ちる血の一滴さえ美しく思えるのは、なぜだろう。
2015/11/16
ophiuchi
蓮如の娘が激しく変わる環境に翻弄されながら生き抜いた壮絶な一生が描かれていて、これは男には書けない小説だと思った。その名を知るだけだった蓮如の生臭さに驚き、他の人がどう書いているか知りたいと感じた。
2017/01/08
KUMAPON
日本語が本当に端正で美しい。それだけに、応仁の時代の血と腐臭にまみれた情景のおぞましさが際立つ。何よりも、二人の娘の視点で語られる蓮如という人物があまりにも不気味。あとがきで皆川博子さんご自身の父親への憎しみを投影した作品、と書かれていて、驚くと同時にその生々しさに納得もした。皆川さん、宗教二世でいらしたのですね(創始者の子にはこういう呼び方はしないのかな…)。
2022/12/21
安南
皆川博子を読みはじめたきっかけになった本。それまでの蓮如像を覆す、凄まじい描写に圧倒された。再読したいけれど、もう、絶版なのかな。
kaoru
この本を読むまで、蓮如にこんなに多くの子がいたとは知らなかった。常に腹に子を宿している状況の母。産み疲れて死ぬまでその状態というのは、生きているというのだろうか。 地に足がつかない感じのまま展開していく物語に、よりどころを見つけることができず、読み進めるのが難しかった。
2017/11/09
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