人形は眠れない (講談社文庫 あ 54-7)
人形は眠れない (講談社文庫 あ 54-7) / 感想・レビュー
Tetchy
本書では鞠小路鞠夫誕生秘話が語られるのだが、これが結構重い話。腹話術師とその人形というコミカルな設定だが、二重人格、多重人格物が横行した当時だからこそ生まれた興味深いキャラクターだ。さて1991年に刊行された本書。開巻直後の舞台は銀座での立食パーティに2次会が六本木でのディスコ、そして三高(解るかな、この単語?)の男子、スポーツカーに乗って海辺の道をドライブし、プレゼントは赤いバラの花束にティファニーのネックレスと非常にバブリー。当時の世相を表しているという意味では非常に貴重な資料にもなりうるだろう。
2017/09/24
がたやぴん
あとがきにご本人が書いたように、ミステリ色は薄くキャラ重視の作品。短篇→長編→連続短篇風の今作。中途半端には感じず充分に楽しめました。三作もつづけて読んでる時点でキャラに魅了されてますからww。目次の鞠夫誕生秘話にニヤリ。まぁ確かにトリックはシンプルだ。いくらダメダメな鑑識でも30秒で見つけられる仕掛けでした。これを見落とすのはマズイでしょwww。一番最初に思いつくだけに、誰も手を出さなかったネタかも。ミステリ色は薄いが、連続短篇風長篇のコンセプトは、伏線のはり方から回収までが見事で素晴らしい。
2016/02/20
papako
そして最後はこちら。これも長編。だけどなかなか。おむつがいい男、関口さんに言い寄られる。揺れるおむつ。事件は放火。果たして犯人は?ボヤ騒ぎも解決した。この巻は事件の謎解きよりもおむつとよしおの恋の行方の方がメインかな。鞠夫、確かに押し入れは方が涼しいかもね。そして関口さんの秘密。別に多重人格者に好かれやすいわけではなくて、おむつがフェアで分け隔てないから、好かれるんだよ。
2020/05/28
ダイ@2019.11.2~一時休止
人形その3。短編集っぽい長編。鞠夫の誕生話があってイイ。
2013/09/09
セウテス
人形探偵シリーズ三作目です。連続放火事件が起こります。その一つに火の気の無い玄関が出火元と思われる火災が発生します。鍵が掛かっていて人が入る事はできない、密室内の火災である事がわかり人形探偵の出番です。でも物語の中心は、朝永君と睦月ちゃんの恋愛がどの様に発展していくかに重点が置かれています。言い換えると、睦月ちゃんの一夏の成長物語とも言えます。何だか、赤川次郎氏の杉原爽香シリーズのライト版の様に感じました。赤川氏の様にもう少し謎やトリックにこだわって、此れからも人形探偵シリーズを続けて頂きたいと思います。
2014/10/07
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