東福門院和子の涙 (講談社文庫 み 9-6)
東福門院和子の涙 (講談社文庫 み 9-6) / 感想・レビュー
shikashika555
東福門院の侍女の語りという形式で書かれる顛末記。 語りの雅なリズムになかなかついていけない。 加齢のせいだろうか。御所言葉も語り形式も決して苦手ではないのに。 物語とは関係の無いそんなところでショックを受けている。 天皇家に初めて皇族以外から入内した徳川二代将軍秀忠の娘、和子。 後水尾天皇との仲は良かったらしいが、後宮では苛烈な排斥を受けたという。 読んでいて、なかなかに辛い物語でした。 この頃は御所でも手元不如意であったとのこと。経済的困窮は苛烈なイジメを生むのであるなあと痛感。
2020/01/26
びっぐすとん
「公武合体」で和の宮と家茂はよく知られているが、後水之尾天皇に嫁いだ徳川秀忠の娘、和子はあまり知られていない。天皇との間に何人もの子を成したが、男の子は暗殺と思われる死を遂げ、天皇の愛妾たちからの嫌がらせを受けるなど、将軍の娘など天皇の前ではなんの権威もない。和の宮以上に辛かったのではないかと思う。
ゆき
お江与もそうですが、女って子供を産むためだけの存在だなー。
2015/12/30
greenish 🌿
徳川二代将軍の娘和子は、史上初めて武家から朝廷に嫁ぎ、「稀なる福運の姫君」と称えられた。戦国を毅然として生きた女性・お市の方の血を引いて、自らの苦悩は決して語らない女性であったが、宮廷の冷たい仕打ちは、中宮の紅絹の布が知っていた・・・。涙を秘めた慈愛の国母を描いて深い感動を呼ぶ長編小説。
akiko
侍女の語りで綴られるので、和子の本当の正直なところはどうだったのだろう?と考えてしまう。皇子の懐妊の争いは凄まじくて怖い。ざっくばらんに言えば、夫の誘いをひたすら待たなければならないって、どうなんだ!宮中の行事やしきたりが詳細に書かれているのは驚き。当たり前だけどちゃんと資料が残ってるんだ!
2019/04/03
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