夢を操る: マレー・セノイ族に会いに行く (講談社文庫 お 61-3)
夢を操る: マレー・セノイ族に会いに行く (講談社文庫 お 61-3) / 感想・レビュー
夜間飛行
マレーのセノイ族の村に滞在したルポ。いわゆる「セノイの夢理論」を全否定する学界に対して、一般人からの反証として説得力がある。第1章は夢の導きによりセノイ族に会いに行った経緯を語る。当時セノイの夢理論は否定されており、それでも何かあるのではと、希望と不安の入り混じる旅立ちだったことがわかる。現地では、夢の話を沢山(中には夢の教えに近いものも)聴き、彼らの夢文化の豊かさを知る。著者がいうようにこれを夢コントロールと見るかどうかは解釈次第だろう。夢コントロールの有無は兎も角として、個人的には夢は人を導くと思う。
2021/02/07
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
河合隼雄さんの『明恵 夢を生きる』の中にマレーのセノイ族の話が出てきて、詳しく書いたものは無いかと思って検索したら見つけた一冊。マレーシアのジャングルに住む狩猟民族セノイ族は夢を重視する暮らしをしており、彼らは、夢をコントロールし精神状態を平和に保っているという情報を知った悪夢をよくみる著者。欧米の科学者の間では、単なるアニミズムで夢コントロールはガセという説が一般的な中、実際にセノイ族に会いに行き、話を聞いたノンフィクション。夢に興味があるので、とてもおもしろく読めた。
2017/01/08
suzuki
とても面白かった。あまり惹かれない表紙とタイトルかもしれないが、夢に興味がある人や夢に悩まされている人にはおすすめしたい、何らかの変化があるかもしれない(私自身には今のところ特に変化無し)続編も気になるのでそのうち読みたい。
2015/11/07
うたまる
「ミツナリ(大泉実成:著者)は夢のサインを信じるかい?」……悪夢に悩まされる著者が、夢をコントロールできるというマレー半島の少数民族を訪ねるルポルタージュ。タイトルの「操る」は少し大袈裟で、「干渉する」や「関与する」が妥当。メインは現地でのフィールドワークだが、夢への科学的なアプローチの他、マレー旅行記としても愉しめる内容だった。印象的なのは、自然環境と共に伝統も失われていく現実。学問として体系化できていなくても伝統文化には何らかの経験知があるはず。科学という名の刃で切り刻んで捨てるとは、なんて勿体ない。
2019/10/27
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