星の感触 (講談社文庫 う 34-4)
星の感触 (講談社文庫 う 34-4) / 感想・レビュー
なつ
眠る度に大きくなっていく男(八メートルを越える大男)。夢か現実か。行ったり来たりして掴めたものはあったのか。不思議な話でした。でも、何となく「逸脱」の意味がわかったような気もする。物語の設定はメチャクチャのような気もしますが、それも物語だからこそ。さくっと読了。
2016/01/27
入江
素晴らしい本! 速記者の主人公が出会ったのは、サラリーマンに憧れる巨人。心が目覚め成長して癒されてゆく。何より文章のリズムが美しい。「いったいみんなは俺の―大きい者の、何を恐れてるんだ。友達になったら排除する―、集団はそうして誰かを排除していく。なぜなんだ」「~村は実在する。信じていれば、いつかは行ける。星にだって触れる」
2016/12/31
kinshirinshi
学生時代に読んだ薄井ゆうじさんの最初の小説を再読。不思議な属性を持つ主人公と、友人である語り手。主人公は最後、何らかの形でこの世界を去り、残された語り手は、悟りに似た感慨を得て日常生活に戻っていくーーという筆者の基本プロットが展開される。設定は奇想天外なのに、語りはどこか無機質、というのも、この作家さんの特徴だと思う。成長する痛み、友情、規格外の人間の生き難さ、など現代的なメッセージも感じられるが、もっと神話的で壮大、かつ不条理な物語だった。
2019/10/18
ろびん
そんな結論に持っていってしまうのか……。
2019/11/03
なむば
今度は初めてタイトルから選んだ。たくさん並ぶ図書館の本棚の右上からゆっくりと視線を動かした。 出会いは唐突に、案外早く。それはまだ右上、ア行であった。薄井ゆうじさん。星の感触。確信した。(ネットでタイトルのセンスは酷評されていましたが笑) 一口で言えばあたりだった。大当たりだ。 文章のセンスは抜群で、ストーリーもよい。軽すぎず重すぎず読みやすい。 掴む。逸脱。またもやいい作家さんに出会えたようです。
2013/11/22
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