伊集院大介の新冒険 (講談社文庫 く 2-23)
伊集院大介の新冒険 (講談社文庫 く 2-23) / 感想・レビュー
セウテス
伊集院大介シリーズ短編集第3弾。〔再読〕伊集院大介シリーズをより深く楽しむ為にある様な作品で、日常に潜むちょっとした出来事から起きてしまう悲劇を説く安楽椅子探偵スタイル。あくまで事件や謎が主体ではなく、伊集院大介の人となりや推理の手順を描いている。「顔のない街」では後の相棒滝沢少年との出会いがあり、「ごく平凡な殺人」では彼に自分の人間観の一端を披露している。伊集院という人物が悲劇を呼び寄せる訳ではないが、何故事件となってしまったのかという物語に、彼は哀しみを見いだしている。昭和の寂しさ、そんな感じがする。
2019/01/19
佐島楓
まだ大学院生だった伊集院の心の動きが良い。若者らしく揺れ、自問自答しながら事件を解決してゆく。キャラクター小説だなとは思うのだけれど、そこを一歩超えた何かがある。
2013/12/28
有沢翔治@文芸同人誌配布中
小学生の〈ぼく〉は新興住宅地に越してきて、伊集院大介と知り合う。 そんな折、殺人事件が発生。しかも当日の朝にはその家で老婆がなくなったばかりだった。忽然と消えた母娘は何を知っているのか。無関心だった住人たちは事件を通して情報交換を始め……。http://blog.livedoor.jp/shoji_arisawa/archives/51506549.html
2019/07/16
kagetrasama-aoi(葵・橘)
伊集院大介シリーズの第十作目、そして三冊目の短編集。やっぱり短編集のタイトルは”冒険”&”新冒険”ですよね!短編集だと如何にも”名探偵”って感じのお話で、「天狼星」読んだ後だと、ほっとします。「顔のない街」は”滝沢稔”君との出会いのお話、森カオルが結婚して、伊庭緑郎はオッチョコチョイ過ぎてワトソンっぽくないし……。後にワトソン役に昇格するんだなぁと感慨深いお話です。田舎育ちの私にとって、”分譲住宅”って憧れの響きでしたし(≧▽≦)。安心して読める短編集でした。
2017/03/27
kaizen@名古屋de朝活読書会
滝沢稔と伊集院大介の最初の出会いの物語がある。 短編集で、どれも伊集院大介らしい物語。 栗本薫らしい、男性の同性愛の話もある。 解説で今岡清が、伊集院大介は「お坊さん」のようだと評していた。 なるほど、腑に落ちた。
2012/01/13
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