ロシア紅茶の謎 (講談社文庫 あ 58-3)
ロシア紅茶の謎 (講談社文庫 あ 58-3) / 感想・レビュー
ちょこまーぶる
6編を集めたミステリでしたが、それぞれの背景が特徴があって、それぞれに楽しめました。それにしても、有栖川先生と火村先生の関係はいつもほのぼのしていますねって言うか怪しいというか・・・でもこの二人の推理合戦は読んでいてワクワクします。個人的には、ロシア紅茶の謎は当然なんですが、動物園の暗号が好みでした。これからもふたらの関係を楽しみに、読み続けたい作家さんです。
2013/08/18
しんたろー
たまには気軽に本格ミステリを楽しみたくて、いつ以来か覚えていないくらい久しぶりの有栖川さん。6つの短編は犯罪臨床学者・火村英生と作家・有栖川有栖の「ホームズ&ワトソン」が、密室やダイイングメッセージなどの謎を解く物語。各話が40~60ページ程ゆえ奥行きはないが、テンポもトリックも軽快でサクサクと読めるのが嬉しい。どの話も映像化する上で大切な人間関係の「余白」があり、絵的な要素も盛り込まれているので、1時間ドラマの原作になりそう。表題作と『赤い稲妻』が好みで、当初の狙い通りに職人芸的な推理小説を楽しめた。
2020/11/15
nobby
読み終わっての気持ちは「うれしい!たのしい!大好き!」歌詞関係ないけど(笑)国名シリーズと銘打ちながら、短編で軽くおちゃらけてもみせるセンスがいい!50頁程度の6篇とも犯罪臨床学者 火村と助手いやミステリ作家 有栖の紹介から始まって、仲睦まじく事件に浸っていく展開を楽しむばかり。それでいて最後の数頁できちんとオチもつけて片付けるのがたまらない!密室や毒殺トリックも見事だけど、個人的にはダイイングメッセージに絡めた暗号がお気に入り♪特に乱歩オマージュでニヤリとさせられる「屋根裏の散歩者」のくだらなさが最高!
2019/04/22
ダイ@2019.11.2~一時休止
作家アリスその3&国名その1。短編集。ダイイングメッセージものが多い。赤い稲妻がイイ。
2013/10/14
夜間飛行
第一話は夜の動物園でサル山に飼育員の死体が発見されるという事件で、被害者が右手に握っていた暗号がカナメとなる。火村が暗号を解く過程がよくできていて、スケールは違うが松本清張の有名作品を思い出した。第二話『屋根裏の散歩者』は暗号とダイイングメッセージで、乱歩の同名作品とはまた違う奇想が楽しめた。第三話は密室および時間をずらした二つの殺人という、設定としては一番惹かれる作品だった。第五話(=表題作)は毒殺トリックに感心。いずれも軽い作品だがそれぞれの味があって、『ロシア紅茶の謎』という書名がぴったりに思えた。
2019/01/01
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