日輪の遺産 (講談社文庫 あ 70-1)
日輪の遺産 (講談社文庫 あ 70-1) / 感想・レビュー
三代目 びあだいまおう
文庫版あとがきの文末に著者が問う。『いかがだったであろうか』と。なんという小説、とても一言では表現できない読後の余韻。私の中にもきっと綿々と受け継がれている、日本人の気高く美しいまでの気質。様々な感動と意義深さが押し寄せる。帝国軍が終戦直前にマッカーサーから奪い隠した時価二百兆もの金塊、その行方と隠された驚きの真実。戦争を新たな側面から描いた日本人必読の一冊!途中何度も『ええっ?』とこぼさせる予想外の展開、最後は思わず天を仰ぎ見るほどの嗚咽が襲う、浅田先生の原点ともいえ、とても素晴らしい小説でした‼️🙇
2019/11/04
HIRO1970
⭐️⭐️⭐️単行本は93年なので20年以上前で、浅田さんとしては初期の方の作品と言う事になります。終戦直前と現代をパラレル的に表現しながら物語は進んで行きます。最近の作品と比べてしまうのは、何だか凄く卑怯ではありますが、荒削りで詰めが甘く焦点があいまいなのはどうしようもなく感じられました。それでも面白く読み進められたのは全体構成がしっかりしているからかなとは思えました。やはりどの作家も出来ることなら古いものから順に読み進めるのが得策ですね。より作品を愉しむには労を惜しむベカラズと言うことかな。
2014/08/09
koba
★★★★☆
2015/03/21
就寝30分前
再読。何度読んでも泣ける。こんなに日本の戦後を憂う将軍たちが、なぜ無謀な戦いをした。日本の未来を託すはずの娘たちに、なぜそんなことを決断させた。そして、思慮深い男たちがなぜ不注意にそんなところで話をした。財宝と日本の復興が結びつかないことに虚しさを感じる。小泉中尉は報われたのだろうか。 ところでマッカーサーとそのとりまきが、某湾岸警察署のスリーアミーゴに思えてしかたなかった。
2015/05/02
taiko
終戦直前、軍の命を受けた3人の男が秘密の財宝を隠すことになった。使役として集められたのは35人の年端も行かぬ少女達とその担当教師。無事に任務を全うした後に待っていたのは…どこまでが事実でどこからがフィクションなのかを思い悩む程、ありえそうな話。現代と50年前を交互に書く事で、その謎に迫る手法に、ページを捲る手を休める事が出来なかった。戦争によって多くのものを背負わされた人達の葛藤、実際にも沢山あっただろうと思った。
2017/10/17
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