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記憶の隠れ家 (講談社文庫 こ 47-1)

記憶の隠れ家 (講談社文庫 こ 47-1)

記憶の隠れ家 (講談社文庫 こ 47-1)

作家
小池真理子
出版社
講談社
発売日
1998-01-01
ISBN
9784062636940
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記憶の隠れ家 (講談社文庫 こ 47-1) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

6篇の「家」に纏わる記憶の物語。いずれも実に鮮やかな手並みを見せる練達の短篇集。ホラーではないが、それぞれの登場人物たちの記憶の奥底に封印されていた深層から浮かび上がる今。それまでの過去の持っていた意味が変容するーというよりは、真実の姿が明らかになる。しかも、それらはけっして知りたくはなかった姿をとって開示されるのである。いずれをベストとするkさは好みの分かれるところだろう。解説の結城信孝は「花ざかりの家」を上げるが、私は迷いつつも、しいて言えば「封印の家」か。小池真理子の短篇集の中でも上質の1篇。

2021/02/22

kaizen@名古屋de朝活読書会

なんらかの家にまつわる記憶短編集6話。 解説は結城信孝。 「刺繍の家」は、結末の説明が十分にないところが恐い。読者がいろいろかってに想像できる。 「獣の家」は、「キノコ」の家と呼んでもいいかもしれない。結末が恐すぎ。 「封印の家」は、義母の愛情か,自分の思い込みか、家族について考えさせられる。 「花ざかりの家」は、女性が気が狂う話でちょっと苦手。 「緋色の家」は、推理小説はこうじゃなきゃというような展開。「 「野ざらしの家」は、父親と娘の関係がいま一歩理解できていない。ある意味恐い。

2012/10/20

じいじ

 すごくいい、面白いです。これは短篇の中の傑作の一冊ですね。おとなの男と女の機微を小池流の味付けで書き上げた短篇集。サスペンス仕上げで、このムシムシする暑さの中で読むには恰好の作品です。タイトルも秀逸です。「家」を題名にした6編。家に隠された過去諸々の想い出、そこに埋もれた記憶が掘り起こされて紡がれていく。私的には【花ざかりの家】が少し残酷な話ですが好きです。47歳、幼馴染みの男二人を取巻く四人の女の物語。怖いですが筋書きがいいので引き込まれます。それにしても小池真理子の文章は安定感があるのでいいですね。

2016/06/27

まこみん

ホラーと言うより心理サスペンス。「刺繍の家」25年ぶりに偶然会った友人の家の狂気。「獣の家」過去に自分の犯した罪を知る妹への恐れと自分にも流れる血筋への嫌悪。「封印の家」義母の死によって過去の抹消された恐ろしい記憶が甦る。無償の愛。「花ざかりの家」自殺した妻が働いていた家のおぞましい秘密。「緋色の家」中学教師をしていた私に、遠い記憶の教え子が声を掛ける。彼の家は母親の自殺で火事に遭っていた。「野ざらしの家」愛する者を失った私のやるせない心情と虚しさが遺る。

2018/05/08

ミカママ

再読。ただし内容はほとんど覚えてなかった(泣)ので、二度楽しめた。小池さんお得意、『家』をめぐる心理サスペンス連作短編集。男と女が主題ではないのだけど、そこはさすが小池さん、ドキドキするような感情の絡み合いも読ませてくれます。お休みの日の軽い読み物としてはかなりの良品♪

2014/10/19

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