空夜 (講談社文庫 は 47-2)
空夜 (講談社文庫 は 47-2) / 感想・レビュー
chikara
胸を高鳴らせつつ本を閉じました。大人の恋愛小説を帚木氏が描くとこんなにも素敵な物語になるのですね。活き活きと輝きだす女性は美しい!
2018/12/03
藤枝梅安
帚木蓬生さんの95年の作品。98年の文庫版を再読。私が読んだ帚木作品の中では「三たびの海峡」「ヒトラーの防具」「逃亡」、そして「国銅」が印象に残っている。それらとは趣の違う「千日紅の恋人」を思い出させる恋愛小説。豊かな自然の描写に能の「松風」の場面を加え、人間の営みを描く大人の純愛小説である。270ページ15行目に「寺小屋」という記述があるが、正しくは「寺子屋」である。
2010/12/26
neputa
「嫌いなことばかりしていたら、石のようになってしまう」、自分を押し殺し何もない九州の山村で生きてきた「真紀」は、村に戻ってきた幼なじみ「慎一」への思いを募らせる。真紀には夫がいる。なんだ不倫か、と言えばそれまでだが、一人の人間が石のように固まっていた魂を山里の色づく自然とシンクロしながら開放していく様子はこの上なく美しかった。
2016/04/20
masayuki
2組の男女の恋物語。どちらの恋も不倫だが、対照的だ。真紀と慎一の恋は少女と少年のような淡い恋。俊子と達士の恋は性愛を伴った大人の恋。でもどろどろの物語ではなく、なんだか爽やかな感じさえする。美しい情景描写のせいばかりではない。二人の女性が恋を通して成長や再生をする展開のゆえだろう。不倫の物語でもこの作家の手にかかれば、こんな美しくて、切ない物語に昇華するのだ。
2016/09/01
mattu
2組の不倫話。1995年なら、今と時代が変わり回顧できる話ですかね。さらりと読みやすかったです。
2018/11/10
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