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仮面舞踏会: 伊集院大介の帰還 (講談社文庫 く 2-24)

仮面舞踏会: 伊集院大介の帰還 (講談社文庫 く 2-24)

仮面舞踏会: 伊集院大介の帰還 (講談社文庫 く 2-24)

作家
栗本薫
出版社
講談社
発売日
1998-04-01
ISBN
9784062637589
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仮面舞踏会: 伊集院大介の帰還 (講談社文庫 く 2-24) / 感想・レビュー

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セウテス

伊集院大介シリーズ第11弾。〔再読〕500頁を越えるのだが読み出したら一気読み、「絃の聖域」と並ぶシリーズ代表作と言いたい。1990年代パソコン通信のチャット交流の特殊性、問題点を描くミステリ。人はどんなに居心地の良い便利な場所を与えられても、匿名性によって都合の良い自分を演出してしまうものなのか。こうしてハンドルネームで生活している以上、そこに潜む悪意の無邪気さ、剰りにも簡単に考える人生観など、恐怖を切実に感じる物語だろう。19歳となった滝沢少年を相棒に、人間観察による謎解きで現在に警鐘を鳴らす良作だ。

2019/01/21

i-miya

2010.08.30 (1995.04、単行本) (1997.03、ノベルス) (あとがき) どうもおひさし振りです。『新・魔界水滸伝』シリーズ再開。秋田県本庄市、ライブピアノ弾きにいった。P530 (解説・太田忠司) のっけからアニメの話。パソ通のダークサイド。評論=中島梓。都築道夫を論ずる栗本薫。『ぼくらの時代』=江戸川乱歩賞。◎プロローグ-パワーオン。11時、午後でなく午前、起きる。僕。カエル。ママ。ママの新しい恋人。「初期状態に戻りました、SET UPしてください」通信ネット、立ち上げる。

2010/09/01

tengen

Win95前の電話回線とモデムを使ったパソコン通信の時代。浪人生・滝沢稔はパソコン通信を知り、相手の見えない空間に魅了されている。友人・姫野を誘い「アトム」「姫」のハンドル名でチャット世界を毎夜渡り歩く。二人はハンドル名「姫」から女子と勘違いされるのを面白がっていた。だがエスカレートするファン達に閉口し、退場を決意。男だったと知られたくない姫野は大学の先輩女子に姫に成りすましてもらい、最後にオフ会へ出て終わらせる事に。ところが代理を頼んだ田中さんはオフ会集合場所で刺殺された。犯人はチャット仲間の中にいる⁈

2022/07/07

佐島楓

パソコン通信をきっかけに現実世界で起こってしまった殺人事件。はたしてこの謎は解けるのか? 私はパソ通時代、パソコンを持っていなかったのでわかりませんが、そんなに革新的だったのかぁ、と熱くなっている伊集院を見て思いました。同時に今も言えることですが、むき出しになってしまう人間の欲望の危険性も書かれていて、女性にはちょっとショックかもしれません。見境がつきにくくなってしまう匿名性という名の罠に警鐘を鳴らす著者。背筋が冷たくなりました。

2013/12/10

こかち

古きよきインターネットワールドを舞台にした電脳ミステリ。パソ通という世界でも伊集院大介のキレキレの推理は変わりません。終盤、チャットのなかで犯人を追い詰めていく展開はスリリング。伊集院さん、容赦ないです。95年の小説で、当時のインターネットはよく知りませんが、新しい世界で人が興奮してのめり込んでいく様子がよくわかります。当時と今ではネットリテラシも全然違うし、ネットをやる人は善人だ、という感覚も私には信じられない。

2016/09/26

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