魔女のソナタ: 伊集院大介の洞察 (講談社文庫 く 2-25)
魔女のソナタ: 伊集院大介の洞察 (講談社文庫 く 2-25) / 感想・レビュー
セウテス
【伊集院大介シリーズ】第8弾。〔再読〕天才と唱われた歌手ゆらの自殺、しかし、警察の出した結論に納得出来ない元恋人、レズビアンBARのママ樹は、伊集院大介に調査を依頼する。ミステリとしてはかなり変わったスタイルの作品で、むしろ犯罪小説の枠に入ると思う。前半はゆらの人間像の描写であり、後半事件なのか殺人なのか、どの様に捉えるかで答えが変わる問題であるのだろう。レズビアンの枠を描きつつも、一人の女性の人生観がにじみ出てくる様に感じる。作者の挑戦だと思うが、シリーズのミステリを期待する読者には、全く必要無い作品。
2020/12/12
佐島楓
バイセクシュアルの歌手・ユラは、果たして自殺をしたのか? 他殺ではなかったのか? 元恋人が持ち込んだ難問に、伊集院大介が挑む。ユラの存在があまりにも強烈で、また哀しく、驚きながら読み進めました。伊集院の推理は例によって想像の域を出ないとは思ったのですが、それなりに説得力があり、「犯人」も意外なものでした。
2014/01/01
こかち
一人の女が自殺した。その人は「魔女」と言われるほどに奔放で、そして魅力的な人物だった。だが、彼女は殺されたんだ、と訴える者から伊集院大介が調査を依頼される…。うんうん、ミステリっぽい出だしだな…と思って読み進めたが、なんと5章あるうちの4章までは、「魔女」がどんなにか凄いかを周囲が語るのみ。伊集院は、相槌やら無言。そしてラスト1章で、心理学者かカウンセラーかというくらいの精神分析をして事件を解決した!すごい構成です。ミステリとしては?だけど、じっくり人の心理を解していく過程は伊集院大介の真骨頂なのかも。
2016/10/02
kagetrasama-aoi(葵・橘)
伊集院大介シリーズの第十二作目。栗本薫氏という作家は、どれだけの引き出しを持っていたんだろう!と感嘆してしまいます。名探偵伊集院大介の謎解き小説という同色のストーリーのはずなのに、将に万華鏡のようにくるくると色彩が変わります。今回は現代の魔女というべき”ユラ”という女性の死をめぐるお話。でも私が女だからかもしれませんが、イマヒトツのめり込めませんでした。名探偵vs.怪人のような破天荒設定だとそれはそれで楽しめるんですが……。
2017/03/29
ホームズ
1999年2月10日初読
感想・レビューをもっと見る