雪螢 (講談社文庫 お 45-12)
雪螢 (講談社文庫 お 45-12) / 感想・レビュー
W-G
大沢在昌作品のベスト1は?と聞かれたから悩むところだが、一番好きな人物は?と聞かれたなら、迷わず四十代になった佐久間公。その一発目となるこちらは、分量に見あった大活劇ではなく、二つの事件が同時進行し、表面上は関わり合うことはない。そこで繰り広げられる、家族や周囲との人間関係の中で、時に哲学じみた問答を重ねながら、過去を背負った探偵佐久間公が、前進のヒントを掴み、リスタートする様を描いた物語。家庭の悲哀に寄り添う傍観者として、先駆者であるロスマクの匂いも強く感じられる。続編が出る気配がないのが非常に残念。
2019/12/26
タックン
再読。久々に佐久間公シリーズを読んだ。失踪人捜しの探偵と薬物厚生の2つの話を1つにしてるので長いなって思ったのが印象かな。題名はそうゆうことねえ。っでどっちの話がメインなのかな?失踪人捜しのオチはいつもの推理小説の王道物で公ちゃんは振り回されただけだなあ・・・・・・。公ちゃん、2人の女性との約束はどうなったのかな?大沢さんはやっぱ六本木や新宿や渋谷を描くのが上手いな。そして世相や世の中の問題を鋭く突いててどんなノンフィクション読むのよりためになるかも、ちょっとくどいけど。
2015/02/04
背番号10@せばてん。
【1997_このミス9位】1999年4月15日読了。新・佐久間公シリーズ_その1。
1999/04/15
rokubrain
前作から8年が過ぎ、他人の人生に入り込む仕事は変わりないのだが、仕事に対する考え方に変化が生じてきている。 他人の人生に関わることは、ただの覗き趣味と変わらないのじゃないか? 自分は傍観者なのか介入者なのか。 仕事はどこで完了するのか。 依頼者がいる以上、依頼内容の完遂がゴールのはずなのであるが。 物語の過程のなかで、仕事が生き方である、と自分の中で固まっていく。 自分の仕事の完遂は、他人に決められるものじゃない。 主人公との同時進行で、大沢さんのハードボイルドスピリットの変遷が感じられる大作でした。
2019/10/27
KAZOO
これも十数年前の再読ですが、すっかり内容を忘れていました。同じ作者の黒の狩人を読んでいると途中なのですが、読み始めたら止まらずにあっという間に読んでしまいました。刑事ものではなく、失踪人探しと薬中毒者のためのリハビリ施設の管理人のような仕事をしている人が主人公で「心では重すぎる」の前の話です。往年のスターとかやくざが出てきたりとノンストップムービーのような感じです。
2013/06/18
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