葉桜の季節 (講談社文庫 た 54-6)
葉桜の季節 (講談社文庫 た 54-6) / 感想・レビュー
あ げ こ
どこか幸田文のそれを思わせるよさがある。移ろうもの、散り行くもの、咲き誇るもの、生い茂るもの。自らが惹かれたものたち、知りたいと、近寄りたいと、促すよう動く心に従い、目を向ける。そこで得たもの、生じたものの姿を、曖昧ささえそのままに書きとめる。思い寄せるのはしたたかに、或いは密やかに栄え、やがて巡る命の豊かさ。そしてそこに宿る魅惑的な熱の息吹。生と死の様相を映す言葉も、自らの揺らめきを象る言葉も、驚くほど真摯で、豊かな響きを持つもの。様々な色合いと熱情に触れ、内へと蓄え続ける姿に、その作品の豊艶さを思う。
2015/07/25
絵具巻
リサイクル本。
2015/07/16
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