ウィーンの密使: フランス革命秘話 (講談社文庫 ふ 48-1)
ウィーンの密使: フランス革命秘話 (講談社文庫 ふ 48-1) / 感想・レビュー
誰かのプリン
アントワネットの実兄ヨーゼフ二世の命令により革命期最中のフランス にある密命を担って、アントワネットの元に使えるルーカス。 彼の懸命な努力も水泡に消える時が。今回も面白かったです。
2017/10/19
柏葉
マリー・アントワネットの人格形成に多大に影響を与えた、貴族の青年が主人公。少女時代の彼女と二年間を共に過ごし、非常に要領のいい我儘娘に仕立て上げたという負い目を抱えている。物語の時期は、バスティーユ要塞襲撃から、三頭派がジャコバン・クラブから抜けるまで。佐藤賢一「小説 フランス革命」シリーズと比べると、どうしても軽く感じる。ラファイエットやロベスピエールが好意的に描かれているのに対し、ミラボーやデムーランの扱いがよくない。革命の有名人が、ちょこちょこ登場し、ルーカスからの視点で描かれる。
2011/12/10
あゆたけ
かの有名な王妃様をあの手この手でまともな人物に矯正しようとする幼なじみ密偵貴族の奮闘記。作中のアントワネットは彼女の人間像の中でも、かなりイメージが悪いほう。保身に走る割に政治を理解せず好き放題、義務は果たさずひたすらに権利を享受する…こりゃ怨まれる。最後主人公が人権と使命の間で苦悩するとこが好きです。
2011/10/23
bibliophage
中学時代に藤本ひとみさんの作品を読んだことがあり、たまたま書店で目についたので手にとった1冊だが、なかなかに楽しめた。密使であるルーカスの策には感心させられる。最後のあたりの自分か国王か、事実かアントワネットかという心の揺れ動きがよかった。終始、ルーカスの心理描写がはっきりとされているので非常に読みやすかった。
2015/12/20
春日
この作者は美男を描くのも上手いけど、それ以上に嫌な女を描くのが上手い。 読者はアントワネットに終始イライラしながら、すっきりすることも救われることもない結末。 ハプスブルクの宝剣もそうでしたが、もう少し女性が魅力的に描かれていれば作品の面白さは違っていたと思います。 ハプスブルクの宝剣はそれを補っても面白いと思えましたが、こちらは読後感、良くない。
2012/03/09
感想・レビューをもっと見る