少年H(上) (講談社文庫 せ 11-1)
少年H(上) (講談社文庫 せ 11-1) / 感想・レビュー
mae.dat
いつだって、理不尽を被るのは一般市民だよ(怒)。H少年は、おかあさんとの約束事を破ったりもするよ。男の子だもん。その点お父さんは若干寛容でね。バランス。そんな中戦争が近づき、やがて勃発しちゃう。それでも生活があって……不満も鬱憤も溜まるよね。父に話すと巧く答えてくれる事が多いね。敢えて理不尽を受け入れる決断をしたり、家族の立ち居振る舞いを説明したり。やるなとうちゃん。 まさかポケモンが出てくるとは思わなかった。 マネも罪な人だね。 厭な事ばかりで嫌気も差すけど、楽しみを見つけながら下巻へ。
2021/09/22
遥かなる想い
一言でいうと、少年の眼から見た太平洋戦争とでもいうのだろうか。戦前・戦後を少年として生きた人たちにとって、感慨深い小説となるだろうが・・少年の眼という視点に私自身なかなか入り込めなかったのは少し残念(^-^;)
chantal(シャンタール)
おかしいと思えばすぐに「何で?どうして?それはおかしいよね?」と質問攻めにする、名前の頭文字「H」を編み込んだセーターを着ている少年Hこと妹尾肇くん。クリスチャンの両親、お父さんは洋服の仕立て屋さん。変わったおうちと言われながらも友人と楽しく逞しく毎日を過ごしている。何でもかんでも「危ないからダメ」と子供に禁じることは必ずしも子供のためにならないんじゃないかなと、少年Hを見てるとそう思う。お父さんが素晴らしい。どんどん戦争の影が濃くなってくるが、続きは下巻で!これもかなり古い茶色い本😅【断捨離対象本】
2021/08/09
りょう君
この作品「少年H」は著者初の小説らしい。昭和5年生まれの主人公「妹尾肇」は「少年H」としてこの小説に登場する。好奇心が旺盛で何でも父親に「なんで?」「どうして?」と質問する少年Hはとても感受性が豊かだ。クリスチャンの両親と絵が上手な少年Hの家族は次第に太平洋戦争が近付いてキナ臭くなる日本国内に疑問を抱きながらも力強く生きる。そして遂に戦争が始まり、住んでいる神戸の町にも空襲が始まる。国民学校から中学に進学した少年H。戦争が庶民の暮らしにどう影響したか、ルビをふったこの小説は読者に教えてくれる・・(下巻に)
2015/10/08
Willie the Wildcat
子供故の吸収力、矛盾への素朴な疑問、そして”生きる”ための機知。恵まれた周囲故の自己確立。人の道の父、慈悲の母、そして”フォーク”の妹。父子で下痢となる件が、成長の証のような気がする。但し、力士プロマイドや国民服への仕立て直しなどの商売人気質は、小遣いなしという現実から必要に迫られた本能かな。思わず笑ったのが、神戸中校長のあだ名!個性であり、憎めないからのあだ名なんだよなぁ。(笑)自分の小・中学校時代を思い出す・・・。『三つの宝』かぁ、是非読んでみたいものだ。
2015/11/06
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