風来忍法帖 (講談社文庫 や 5-17 山田風太郎忍法帖 11)
風来忍法帖 (講談社文庫 や 5-17 山田風太郎忍法帖 11) / 感想・レビュー
けやき
【再読】忍城の攻防の中、ヒロインの麻也姫を守るため、北条方の風摩忍者3人に香具師7人とくノ一7人が挑みます。悪源太の能力とキャラが好き。香具師の仲間の絆の強さも泣けてきます。やっぱり山風忍法帖は面白かった!「トーン、トーン、唐辛子」
2022/01/31
きょちょ
時は秀吉が北条の小田原城や忍城を攻め天下統一寸前の頃。 敵になる風魔一族の3忍者の忍法は凄い! 対する主人公側は7人の香具師と風魔の7人の女忍者。 ん~、いくら女忍者の手助けがあるとはいえ、香具師がなぁ~・・・。 できればいつものように忍者同士の死闘であって欲しかった。 風太郎ファンを自認する私だが、はっきり言って残念・・・。 「道化者(厳密に言えばそうではないかもしれないが)が、正義面して活躍する話」は、私は昔っから好きではないのだ。 ヒロインも他の忍法帖と比べてそれほど共感できないし・・・。 ★
2017/03/15
のれん
山風作品でここまで本能に忠実に動く香具師が主人公というのは珍しい。主役の7人はドクズだが、時代性を考えればバイタリティはあるのに貧乏性な阿呆たちと捉えるのが妥当だろう。 どんな女も交われば惚れさせる男が最後に、交わりなしで積み上げた友情と勇気で一国の姫を惚れさせるという結末が良い。 性器を使った名前や忍術は相変わらずだが、今回はそれよりも若い男たちの結束が目立つ。女目的で始めたのがあれよの内に使命に奮える姫を救おうという熱気に駆られる。この情動こそ男の浪漫であり、この悲恋こそ真の純愛だろう。
2021/05/13
うさみP
なるほど、これは最高傑作と評されるワケだはわ。可憐な美少女姫を守ろうとするクソロクデナシからでしか摂取できない栄養素がある。邪が転じて福となる。戦国の世で、物を売り、博打を打ち、女を犯す、口八丁手八丁で渡り歩く香具師七人が、土足で顔を踏んだ姫様の為に一肌ぬぐ。エログロ陰気だけでなく、殴って罵り合う彼らの絆、自らのこれまでの行いをそっちのけで、彼女へ向けられる言語化不能の感情。奇妙奇天烈な体質に犯され惚れたくノ一達。糞刀が一番のインパクトw。太平の世を『トントン』と囃子ながら、彼らと彼女が歩む後ろ姿が。
2023/04/21
つったん
和田竜作『のぼうの城』と同じ題材でここまで違うか!という風太郎忍法帖。 秀吉の北条攻め、武蔵野の小城、武功に逸る三成の水攻め、非戦闘員が殆どの城内、思いもかけぬ勝利と膠着状態という筋立ては同じなんだけどなぁ。 いやはや、流石は天才老人!まあ初版時はまだ老人じゃないけど(笑)
2020/04/01
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