三匹の猿: 私立探偵飛鳥井の事件簿 (講談社文庫 か 54-3)
三匹の猿: 私立探偵飛鳥井の事件簿 (講談社文庫 か 54-3) / 感想・レビュー
セウテス
私立探偵飛鳥井の事件簿第1弾。驚くべきは綾辻行人氏が紹介している様に、一人称の私立探偵小説で在ることだ。この形式を採ると、探偵が犯人を特定した瞬間の思考がバレてしまう。よって読書を騙さない様に、謎解きの場面までもって行かねば為らない工夫が醍醐味の一つでは有るのだが、本作はたいへん巧みな作品だと言える。本格の一人称私立探偵ハードボイルドといえば、名作ロス・マクドナルド「ウィチャリー家の女」を思い出させる程だ。飛鳥井が魅力ある上、数々の伏線その回収そしてどんでん返しと推理を楽しめる、もっと知られて良い作品だ。
2016/07/06
小豆
現代ミステリの知的巨人が著した一人称探偵小説。「本格ミステリ+ハードボイルド+社会問題」という離れ業もベテラン笠井氏の手にかかれば一つの小説として成立しますね。□退屈な日々をやり過ごしていた探偵・飛鳥井史郎のもとに、17歳の可憐な少女・田之倉有美が父親探しの依頼に訪れる。飛鳥井は依頼を請け負ったが、その有美が失踪。期を同じくして、清里で猟奇的な連続少女殺人事件が発生。少女たちの両親には共通の過去があり因縁と確執が隠されていたが…。□強固に練られた論理性、二転三転するストーリー、見事に回収される伏線。→
2019/03/22
ホームズ
前半は少し苦戦したけど、中盤から勢いよく読めた(笑)色々伏線がはられて後半はドンドン回収されてからの事件の真相は良かった。しかし事件の裏にある売春だとか女子高生殺人事件とかは苦手。読んでいて辛くなる。だから最近のミステリは苦手なのが多いんだよな~。
2014/07/01
stobe1904
【探偵飛鳥井シリーズ】ロス・マクドナルドの作品を彷彿させる家庭崩壊と社会の変容をベースにして起きた連続殺人事件を私立探偵の飛鳥井が追いはじめるが…。ハードボイルドとミステリを組合せた建付けは面白いが、どちらの要素も今ひとつ突き抜けた感じがせず、こじんまりした印象だった。近く刊行されると思われる矢吹駆シリーズに期待。★★★☆☆
2022/04/21
α0350α
再読です。警察の先を行く捜査で事件を明らかにしていくのが面白いですね。これであと1冊で新刊に取りかかれます。
2018/01/24
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