余燼 下 (講談社文庫 き 15-17)
余燼 下 (講談社文庫 き 15-17) / 感想・レビュー
ツカモトカネユキ
1992年から1993年の連載。1999年文庫版。上巻より。「天明の打ちこわし」は予想以上の成果を上げますが、その後に暗雲が立ち込めます。それぞれが非常な政争に巻き込まれていき、死に場所を探すように物語が動きます。この展開は、解説にもあるように現代を舞台にするよりも、作者の思惑通り時代小説の方がしっくりきます。主人公の戦いの最中の違和感が残り火のように残り、そこから世の中のやるせなさにつながり、ハードボイルド路線を思い起こさせます。続いて、作者のほかの時代小説にも足を踏み入れたくなりました。
2023/07/20
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