梟の巨なる黄昏 (講談社文庫 か 54-4)
梟の巨なる黄昏 (講談社文庫 か 54-4) / 感想・レビュー
hirayama46
人間の殺意を増幅させる本を巡る四人の人々を描いたサスペンス。同じ事件を四人それぞれの視点で行ったり来たりするので、物語がそれほど奥の方向に進行しない小振りな立方体のような作品でした。ダメ人間の小説家とその奥さんの小市民的な生活感が笠井潔の作家的イメージと違っていてなかなか面白かったです。
2020/03/31
CCC
布施の戯画化された私小説作家みたいなキャラはそれなりに面白かったけれど、話はさっさと切り上げちゃうし、物語も「魔書」に説得力を感じなかったためかあまり入り込めず。
2017/07/03
ひろ
一冊の本をめぐる一連のストーリーに対して、各章の主役の内面がそれぞれ明らかにされる。 読むのに時間がかかったが、お手本のような良く練られた話だった。でも、その後が気になる。選ばれた理由がよく分からず。
2020/04/14
たぬ
★5 読後感はずっしり来る。でも嫌な気分にはならない。
2014/11/06
tokyo-zodiac
文芸誌で新人賞を取った過去にすがり続け、妻・和子の稼ぎに寄りかかり、いつまでたってもモノにならない長編を書き続ける布施朋之。布施は大学時代の文芸サークルにいた友人で、今では文壇の寵児となった宇野の口利きで紹介された校正の仕事をミス続きで打ち切られてしまう。やけ酒を呑んで正体をなくした布施が、翌朝ホテルの一室で目覚めると、そこには『梟の巨(おおい)なる黄昏』と題した私家版らしい極厚の本が…後日、新しい仕事を紹介してもらうために、宇野と再会した布施は、今『梟の巨なる黄昏』という長編を執筆中だと大見得を切る…
2017/02/26
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