深い河創作日記 (講談社文庫 え 1-45)
深い河創作日記 (講談社文庫 え 1-45) / 感想・レビュー
桜もち 太郎
最後の大作「深い河」の創作日記。遠藤が亡くなってから発見されたものだ。友人の三浦朱門が言うように「いかがわしい」「見せびらかす」「言わずにはいられない寂しさ」との思いがあったようだ。日記の中で「とにかく一枚でもよい、書き出せば始まるのだ。それはわかっているのに」と体力の低下と思うよう書けない焦りが垣間見える。順子夫人の「夫の宿題」にもあるように、医師による致命的な誤診があったようだ。その生死感や宗教観が無意識にペンを走らせたのではないだろうか。→
2015/03/17
紫羊
遠藤周作は若い頃に結構読んだ。個人的な信仰の問題を抱えていた時期でもあったので、特に「沈黙」には心の奥まで抉られた。社会人として何とかやっていけるようになると、遠藤周作の小説が重苦しく感じられるようになり、エッセイ以外は全く読まなくなってしまった。でも、最近になって、「深い河」は絶対読んでおきたいと思うようになり、手始めに創作日記を読んでみた。自ら死を意識しながら、生涯最後の大作に取り組む作者の、真摯かつ人間くさい生きざまに圧倒された。
2013/09/03
Junius
「深い河」が「宗教的多元主義」に影響を受けてできたこと、知らなかった。専門的な内容だと思うけど、ヒックの本も読んでみたくなった。
2015/01/20
kwy8791
先日読んだ『笑って死にたい』に触発されて10年くらいぶりに読んだ。おいに伴う身体の不調に対する絶望感が随所に書かれている本。 なのだけど、文庫版後半に収録された三浦朱門と河合隼雄の対談を読むと、あぁそんな見方もあるのかと。世の中はもっと斜めに見ていかねばならないんだなぁと思い知らされもした一冊。
2013/10/05
ちゃっぺ
勧められて図書館で借りたら創作日記のほうでした!
2020/07/18
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