野球の国のアリス (MYSTERY LAND)
野球の国のアリス (MYSTERY LAND) / 感想・レビュー
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
「大変だ大変だ」と叫びながら走っていく宇佐木(うさぎ)さんについていって、鏡の国にやってきた野球少女アリス。そこではとても残酷なルールで少年野球が行われていました。全国制覇を目指して戦うチームがある一方で、負けたチームは日本最弱を競う〈裏選手権〉に出場し、さらしものにならなくてはなりません。馬鹿げたルールに異議を唱えたい宇佐木さんに賛同したアリスは、チャンピオンチームとの練習試合に挑むのです。『不思議の国のアリス』の世界観を絶妙に織り混ぜながら描かれる少女の物語。
2015/04/18
chiru
ミステリーランドの本。 アリスのモチーフを野球にスライドしたパラレルストーリー。 本編の物語より作者の『はじめに』のほうが好き。「言葉は、百円玉が百円であるように、決まった値打ちを持たない」とか「わかりやすくして手渡されるより《わからない》という宝物をたくさんかかえることが、いいこと」など、子供に伝える文章がとても率直で、作者の思いがストレートに伝わってきて心が暖かくなりました。 いままであまり読まなかった北村薫さんですが、エッセイがあったら読みたいな。 ★3
2018/11/14
Aya Murakami
図書館本。 謎の鏡を通り抜けることによって左右逆になっている世界(たぶんパラレルワールドの1つだろうな)に迷い込んだ野球少女アリス。元ネタはもちろん不思議の国のアリスです。 左右逆の世界ではこれまた謎のルールの野球試合が行われていて、なおかつ人気が高いのだとか…。最弱を決める試合…。読みながら自分が学校に通っていた時に悪名をはせていたゆとり教育を思い起こしました。
2018/08/02
へくとぱすかる
鏡の向こうの世界は……だった。というパターンはおなじみかもしれない。野球の場合どうなのか、と思ったら、思った通りだった。中学野球(正確には入学前だけど)を舞台に、アリスが活躍する話、と思ったら、最初に大コケ。どうやってその分を取り返すんだろうと、やきもきしながら読んでいったが、最後は……ですね。北村さんの小説は本格的な謎を解くというより、日常のちょっとした場面に隠れているものを明らかにしていくことが多いので、こういうファンタジー性にあふれた話は珍しい。アリスつながりの物語の新しい収穫だと思う。
2015/01/09
ダイ@2019.11.2~一時休止
ミステリーっぽくないが野球小説としては楽しめる。最初の試合の結末に何故と思ったが次の試合の伏線だったようで終わり方がイイ。
2014/07/13
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