忠直卿御座船 (講談社文庫 あ 85-2)
忠直卿御座船 (講談社文庫 あ 85-2) / 感想・レビュー
うたまる
安土桃山から幕末までの歴史小説集で、表題作ほか8編。意外にハズレが多く、特に単行本時の表題作『難風』には心底がっかり。なぜこんなのをタイトルにもってきたのか理解に苦しむ。一方、歴史物として傑出していたのは『佐和山炎上』で、『佐和山落城記』を下敷きに石田家の顚末と生死の境の人間模様が素晴らしく、長編でも読みたい作品。また『魅入られた男』は、今昔物語集の伝奇もののようで毛色が変わっていて面白かった。他に『伏見城恋歌』は、設定に”ありえねえ”とは思うものの、恋心の機微にほっこりさせられる。
2013/04/26
てつ301
この作者の作品は何冊か読んでいますが、はずれなし!大河ドラマになりそうな大きな事件のそばで同時に起きている(小さな?)ドラマにもスポットライトを当てると、こんなに面白い作品になるんですネ!
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