御手洗潔のメロディ (講談社文庫 し 26-20)
御手洗潔のメロディ (講談社文庫 し 26-20) / 感想・レビュー
セウテス
御手洗潔シリーズ第11弾。2編のミステリと、2編の御手洗と石岡の日常小話からなる。「IgE」は、レストランの便器が壊される事から、殺人事件を予想するという独創的な謎ではあるが、天才御手洗が天才過ぎてしまう。兎に角、御手洗の言う通りの答えになるのだが、読者が推理するには情報不足。「ボストン~」は、御手洗がハーバード大学の学生時代の物語だ。此方も犯人の名前は解るものの、それ以外は推理出来るのか疑問。長編では中々描けない御手洗の側面を、読者に見せる為の貴重な作品だろう。事件より、主人公達の魅力を存分に楽しめる。
2019/04/18
Tetchy
「IgE」は実に島田らしい作品。「SIVAD SELIM」はあまりにも出来過ぎだなとは思うが、一種の夢物語と考えれば、それもまた一興。作者の夢が詰まった作品だ。「さらば遠い輝き」はレオナの御手洗への未練を切なく描き、後味はなんともメランコリック。しかし御手洗の超人ぶりはちょっと理想を詰め込みすぎの感がする。御手洗フリークの期待に応えるべく島田はちょっと道を踏み外してはいないだろうか。杞憂であればいいのだが。
2009/09/06
aoringo
本格だけでなく叙情的な作品も収録されており色々な味わいを楽しめる。でもやっぱり御手洗さんによる謎解きが好き。今回も謎が提示されてから秒で解決、振り回される周囲、あっと驚く解決編。短編なので途中で飽きることなく一気読みだった。巻末で島田さんご本人による自作解説もあり。執筆当時のお話が聞けて興味深いものだった。
2022/12/11
散文の詞
-IgE- 些細な事件とも言えないような出来事を聞いて、たったそれだけで何かを察知してしまう神がかり的な御手洗が、その後、天才的頭脳によってある事件を未然に防ぐことになる。 面白かったけど、便器をどうやって持ち出したのかが一番気になってたのに書いてなかった。 「そんな些細なことは、石岡くんどうでもいいのだよ」 -ボストン幽霊絵画事件- 神がかり的な推理は、御手洗が大学生時代からなのかと思い知らされるような、圧倒的な作品です。 まあ、あの御手洗なら当然だなって感じでした。 当然、石岡君は出てきません。
2020/02/09
ペグ
国内小説に疎いので、(色々読んでみよう計画)です。そして初の探偵は御手洗潔。ワトソン役の医師の執着ぶりもなかなかだが、最後にう〜んと唸らせる。なるほど! 純粋なミステリーではないこの「SIVAD SELIM」が面白かった〜クールでカッコ良い御手洗氏は凄い人脈を持つ!
2019/09/21
感想・レビューをもっと見る