異人たちの館 (講談社文庫 お 63-13)
異人たちの館 (講談社文庫 お 63-13) / 感想・レビュー
aquamarine
行方不明になった息子の伝記をゴーストライターとして書いてくれと言われた主人公。彼の半生を追っていくうちに何やら見えない糸にからめとられるように巻き込まれていきます。折原作品ですから、あることが仕掛けられているのはわかっています。でも身構えて読んでいたのに全くわからなかったです。そこか!だからか!と納得するのがそりゃあもう気持ちよいほど。そしてそのまま気を抜いてもいけないのです。内容を覚えているうちに絶対もう一度読み返して楽しみたいです。
2016/01/14
ダイ@2019.11.2~一時休止
作者自身が自選ベスト3にあげている(しかも筆頭)作品。叙述トリックと知りながら騙される作品でした。
2014/01/06
ワレモコウ
新人賞を受賞した後、新作が認められずゴーストライターをして食い繋いでいた島崎に、樹海で失踪した小松原淳の伝記の仕事がくる。依頼人は母親。嫌々引き受けたものの、段々と淳の生涯に魅せられていく。書き進めていううちに、異人の影、怪しい尾行者、先回りする取材人、と不思議な出来事が起こる。600頁弱の本だったが、折原作品らしい叙述トリックを堪能できた。
2021/06/05
chiru
どう騙してくれるのかっていうワクワクを味わう本。 登場人物やモノローグをいちいち疑いながら読むのが大変。 怪しいって思うところはたくさんあったのになー。 伏線の張り方に感心しまくりました。 オセロで全部ひっくり返されたのに白黒じゃなくて全然別の色になってたって感じ。 面白かった! ★4
2018/02/11
セウテス
折原一氏の叙述ミステリの最高峰と言われている作品であり、読み応えはかなりあると思う。ミステリとして考えるならば、淳の周りで幼少期から起こってきた殺人事件、この犯人は誰なのか。という事に成るのだろうが、本作は叙述ミステリとして書かれた物語を、ストーリーを追って楽しむ作品だと思う。犯人を推理するには、充分なヒントが埋まっており、掘り出すのも有意義な作業である。しかし、登場人物の性格の認識から、後々の行動や物語の展開に違和感は感じる。たいへん緻密に作られているのは解るのだが、終わり方が良かったとしか言葉がない。
2017/02/12
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