放浪探偵と七つの殺人 (講談社文庫 う 23-9)
放浪探偵と七つの殺人 (講談社文庫 う 23-9) / 感想・レビュー
流竜会
歌野さん作品の探偵「信濃譲二」の事件簿ともいうべき短編集。事件簿というより、「あっ、それね、そこに僕がいたので事件解いちゃいました」みたいな岡目八目的な文体が印象に残ります。肩凝らずに読める、それでいて深みのある謎解きが良いですね。これは、なかなか描こうと思っても難しいのではないかと・・・。短編集ですが「有罪としての不在」という作品は、久々に「読者への挑戦」なんていう”踊り場”があり思わずペンを持って考えてしまいました。でも私、外れました。探偵の要素ありません(笑)。k
2015/09/04
藤森かつき(Katsuki Fujimori)
印象的な事件の多い短編集。殺人は小細工せず自首するのがお勧めだと感じた。色んな場面に、奇抜な服装の信濃が登場している。話ごとに、今度はどんな登場の仕方するんだろう? というのも楽しめた。信濃の服装は、夏場にはそんなに違和感ないだろうけれど、冬場はちょっと見てる方まで寒くなりそう。「烏勧請」殺人の隠蔽はリスクが高すぎる。大規模にやってこの結末とは切なすぎる話。「水難の夜」信濃がそんなところに居るとは。「W=mgh」は初っ端から大きなヒントがあったのに、読んでるうちにすっかり忘れてた。この話が一番好みだった。
2019/09/17
tengen
信濃譲二シリーズ第4弾。7つの殺人事件。 ☆ 卒論に追い込まれる中、思わず刺してしまった。が、この細工で完璧、のはずが。 ☆ 廃墟病院に隠した死体が消えた? ☆ ゴミ屋敷での密室殺人の謎。 ☆ 学生寮での密室殺人、解決に必要な材料はすべて提示した。 読者への挑戦 ☆ 悪徳商法の女社長が殺害され、ピザ配達員が発見する。 ☆ 殺害時刻の後に被害者は目撃されていた。 ☆ 新興宗教謎の塔に磔された遺体の謎。 ☆彡 ドア⇆ドア/幽霊病棟/烏勧請/有罪としての不在/水難の夜/W=mgh/阿闍梨天空死譚
2021/05/10
papako
家殺人事件シリーズの信濃ジョージの短編集。お久しぶり。相変わらずの人をくったような態度と鋭い観察力と推理。面白かった!歌野さんの叙述ものもいいけど、こういう本格ものも好き。
2013/09/18
Gemi
歌野晶午さん、やっぱり面白い。なんでも読む雑食ならぬ雑読派だと思ってたけど、本当はミステリ好きなんだろうか?この本は歌野さんの初期の頃に登場した、信濃譲二が探偵。そして表題の通り7つの謎を解いていく短編集。正直、自分で謎を解けたことはない。今作には読者への挑戦状などあり、自分の不甲斐なさを再認識させてくる。しかしミステリ作家さんてどれだけネタ?アイデア?を持っているんだろう。どの話の謎解きもワクワクさせる。なんとなくもやっとしか分かっていない「有罪としての不在」の解答が知りたい。ネタバレ探してみよう。
2023/10/25
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