御書物同心日記 (講談社文庫 て 8-11)
御書物同心日記 (講談社文庫 て 8-11) / 感想・レビュー
つたもみじ
連作短篇集。江戸時代。将軍家の御文庫に勤める新米同心・丈太郎の仕事や日常の物語。稀本珍本の保存や修復、記録取りなど、お勤めの様子は興味深い。御家人の三男坊で、本好きという縁で東雲家に養子に入った丈太郎の気さくな性格も良い。馴染みの古本屋や、実家の妹、ほのぼのな雰囲気が良い。ところで紙魚は…そんなにワイワイするほど綺麗じゃない、よなあ。
2014/08/24
KAZOO
「虫愛ずる姫君」から逆に読んで最初の本にたどり着きました。やはり最初から読んだほうがいいのでしょう。この本には江戸城内の書物や解説でかなりこの職業について書かれていまして、よく理解することができました。そのうち最初から再読しましょう。
2013/12/17
usarlock
書物方同心となった東雲丈太郎の本に囲まれた日常を描いた連作短編集。江戸時代の古本事情が分かり、読んでいて楽しい一冊です。書物大好きで、それ以外のことには疎い丈太郎のホヨっとしたキャラクターもかなり良い。日常の謎系かと思ったけどそうでもなかった。というか事件が起きそうで起きない系です。もし自分が江戸時代の人間だったら御書物同心やってみたいな。面白かったので続きも読もう。しかし紙魚を飼うって斬新な発想だな。確かに面白そうだけども。
2014/09/24
タツ フカガワ
初めての出久根本。御書物同心とは、いまでいうなら図書館の司書か。江戸城の膨大な蔵書の保守管理、修復、目録作りなど地味な職務。そのお役目に就いた新米同心、東雲丈太郎が出会う本にまつわる7つの出来事は事件というには大事ではないけれど、読後のほんのり温かい余韻がいい。江戸時代の本と出版事情も興味深く読みました。
2018/05/02
niisun
『下級武士の食日記』と一緒にブックオフで見つけた本です。こちらは新書じゃなくてフィクション仕立てですが、ちゃんと、御書物奉行が書き残した実在の日記をもとに作られたお話です。しかも、なんと百五十日分が現存し、いまだ活字化作業は完結に至らないと聞くと、なんだかワクワクしてきます♪日記から生み出された物語もとても面白かった!舞台となっている江戸城内の紅葉山文庫での日々の業務は、ちょっとしたお仕事小説として楽しめるし、江戸時代の売本、貸本など、本にまつわるあれこれを面白おかしい小咄に仕上げています♪
2016/01/18
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