盤上の敵 (講談社文庫 き 45-1)
盤上の敵 (講談社文庫 き 45-1) / 感想・レビュー
三代目 びあだいまおう
冒頭、何とも不穏な雰囲気漂う叙述が続く。TVディレクターである主人公が車で帰宅した際、自宅に多くのパトカーが集まっていた。留守中、猟銃を持った何者かが家に侵入し、妻を人質に取って籠城しているらしい。警察の刺激で犯人が暴走したら妻の命が危ない!自分が警察を出し抜き、妻を守るんだ!犯人との緊迫した心理戦、無事犯人から妻を救出できるのか?という本筋から、予想外の展開へ発展する!ミスリードされていることに薄々気付くのだが私には真相は見抜けませんでした。考え抜かれた作品ですね。散りばめられた伏線の回収が見事‼️🙇
2020/09/28
W-G
一気に読了。これも国内ミステリベスト系のネット情報からピックアップして読みました。面白いけれども、本格ミステリの傑作!みたいな煽りを真に受けるとちょっと肩すかしをくらいますね。広義のミステリとしては文句なく傑作です。
2016/03/13
ALATA
再読。これは円紫さんシリーズのようにほっこり話しを期待すると痛い目に会う。猟銃を持った立てこもり犯をワイドショーが追いかける展開。駒を動かす冷徹な眼で対戦する棋士のような空気感が全編を通して溢れている。トリックを仕掛ける側との対戦?する側のプロットが序盤戦、中盤戦、終盤戦と丁寧になぞられ伏線回収も見事でした。★4※奇抜な叙述展開、黒のキングと白のクイーンの戦い、夫婦の愛が試されるイヤミス的な雰囲気に◎。
2022/08/12
Aya Murakami
モトネタはたぶんエラリークイーンの某作品。北村作品にはエラリークイーンの二次創作風(作中では贋作とされる)の作品もあるので…。 うーん…。先行きのわからない展開だったのですが終盤でやっと全体像が見えたという感じでした。これは要再読です。 自分もいじめられたことがあるのでいろいろ思うところのある作品でした。さて自分の母校をチェスに例えるとどんなコマの動きになるのでしょうか?
2018/08/16
しんたろー
15年ほど前に『スキップ』や『ターン』を読んで以来の久々な北村薫さん。前書きに 「安らかな心を得たいという方には、このお話は不向きです」とあるので身構えてい たら・・・成る程、理不尽な不幸が痛ましいが、北村さんの心遣いに優しさを感じる。 しかし、1999年に刊行された作品なので、その後の理不尽な事件の数々や東北 の震災を知る者にとっては強烈ではなく、そんな事に慣らされた自分が恐ろしい。 そんな事はともかく、良く出来たトリックで本格推理と言えるし、夫婦の切ないラブ ストーリーとして余韻が残る作品だと思った。
2017/01/16
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