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開陽丸、北へ: 徳川海軍の興亡 (講談社文庫 あ 85-3)

開陽丸、北へ: 徳川海軍の興亡 (講談社文庫 あ 85-3)

開陽丸、北へ: 徳川海軍の興亡 (講談社文庫 あ 85-3)

作家
安部龍太郎
出版社
講談社
発売日
2002-12-01
ISBN
9784062736138
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開陽丸、北へ: 徳川海軍の興亡 (講談社文庫 あ 85-3) / 感想・レビュー

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シュラフ

開陽丸は幕府海軍の主力艦。幕府海軍が、鳥羽伏見の戦いの後に大阪から江戸に戻り、江戸湾で彰義隊の残兵を救い出し、そして仙台湾を経て函館へ、ということはよく知られたこと。真新しい解釈というのはないが、安部龍太郎の歴史に対する冷静な視線にはっとさせられる。偉業と称えられる明治維新も実は薩長による天皇担ぎ出しという禁じ手を使った反則技。天皇家とはそもそも神々に礼を尽くすことで国の平安を保つものであり、政治の表舞台にたつべきではないもの。この時点から日本の近現代史は間違った方向にいってしまったのではないだろうか。

2015/01/11

Kazehikanai

15年来の積読本は、ペリー来港15年後が舞台。主人公の沢は開陽丸の艦長。榎本武揚との友情、富子とロマンス、海洋航海での苦闘、幕府の滅亡の駆け引きなど、読みごたえ多数。西郷の英雄像を突き崩し、榎本武揚を魅力的な人物に仕立てている。薩長が勝たなければあの戦争はなかったかもしれないなどと考えさせられた。歴史に「もしも」と考えるのは歴史小説の醍醐味でもあり、歴史から学ぶ際にも必要な視点だと思う。積ん読の間に作者は直木賞を獲った。もしももっと早く読んでいたら。。。

2017/08/13

北之庄

徳川海軍の最新鋭艦、開陽丸を舞台として、艦長沢太郎左衛門と盟友榎本武揚を描く本書。海洋冒険小説と言うよりは、男の友情と衰運著しい幕府への、彼らなりの義がテーマ。時には榎本艦隊かくありせばとの非難も耳にするが、彼らは政治家ではなく単なる軍人であり、而もその出自は微禄の御家人とあらば、その評価は厳しすぎる。改めて幕閣や、列藩同盟首脳のだらしなさに歯痒い思いを新たにする作品です。ただ男装し土方と共に函館迄転戦する、沢の許嫁 富子との淡いロマンスは、作品テーマへの関与も少なく画竜点睛を欠く思いです。

2017/05/11

カワセミ440

先月末北海道/函館に行ってきた。初めて行った五稜郭は、礎石は素晴らしいね。城内至る所に榎本武揚と土方歳三の写真や絵、書が。函館のヒーローなんだな。澤太郎左衛門のものは見つけられなかったけど。『蝦夷共和国』が榎本さんや旧幕臣たちの計画通りに進んでいたら、どんな北海道になったんだろう?幕末の志士の話は坂本竜馬や長州藩士、新撰組のモノは結構読んだけど榎本さんを始めとする函館/戊辰戦争の本はほとんど読んでないな。(新撰組視線の何冊かだけだ)読んでみよう。安部龍太郎さんの旧幕臣や新政府軍に対する考え方が面白かった。

2015/06/13

gonta19

2009/3/30~4/7 江戸から明治への転換期。最新鋭の開陽丸と幕府艦隊を率いた榎本武揚と沢太郎左衛門。薩長の理不尽な要求に不満を抱きつつも、蝦夷地の開拓を目指して船を進めるが、最後は江差沖で座礁し、沈没する。この前読んだ井沢氏の城の本でも江差城のところで少しこのエピソードについて触れていたが、これまであまり明治維新がらみの本は読まなかった(竜馬がゆく、くらいか)ので新鮮な話であった。もう少し江戸から明治にかけての歴史に関する本を読んでみることにしよう。

2009/04/07

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