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空山 (講談社文庫 は 47-3)

空山 (講談社文庫 は 47-3)

空山 (講談社文庫 は 47-3)

作家
帚木蓬生
出版社
講談社
発売日
2003-06-01
ISBN
9784062737784
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空山 (講談社文庫 は 47-3) / 感想・レビュー

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藤枝梅安

前作「空夜」から5年後の設定。登場人物は同じだが、「空夜」は恋愛小説の趣だったのに対し、「空山」では環境問題といわゆる「村起し」がテーマとなっている。恋人を事故で失い、夫は脳内出血でリハビリ中の俊子が商店会の後押しで市会議員になっている。真紀の夫は借金を繰り返した挙句、行方をくらまし、今では元々いなかった人のようになっている。娘の伽奈も父親の不在を気に留めず、母親と診療所の先生の関係をほぼ黙認している。環境の再生と人間の再生を並行させた力作である。429ページ9行目の「課程」は、正しくは「過程」である。

2010/12/28

キムチ

作者読みの私ゆえ、安心して充実感を得られる。 帚木モノを多読したせいもあり、結構内容がオーバーラップしている。これは大人の恋愛を横糸に、縦糸に大型ゴミ処理場問題を扱い、一応空夜の続編となっている。しかし、単独としても十分に楽しめそう。前回と舞台を同じにして、俊子がクローズアップされ、市会議員としての活躍とサイドストーリーを展開させ、美しい自然描写が広がる。 日本人ならでの生臭さ処理の「美しさ」はあるものの、帚木氏らしく 現実のぎらぎらを避けて纏め上げている。 とはいえ社会問題は小説にすると難しい。

2013/01/14

雨猫

「空夜」は未読だが問題なかったです。評価あまり良くないんですね。帚木作品は「三たびの海峡」が読み応えがあっただけに確かにこのページ数、ゴミ処理という社会問題を描いたにしては読後あまり残るものはない。ゴミを描いているのに恋愛とか藍染とか綺麗すぎたかな。何か具体的な解決策があったら良かったんだが(それが可能かどうかは別にして)。ゴミも大事な問題だが放射性廃棄物の方がタイムリーで読みたかったかも。☆3.5

2015/08/05

リュウジ

★★★☆☆ 「空夜」の続編というか続きの物語。「空夜」が恋愛小説だったのに対し、こちらは社会派小説。「空夜」が人間の再生に対し、「空山」は自然環境の再生と地域の再生。ただ、その再生は、理想論過ぎるとは思う。しかし、その理想論を描くことが今の時代には大切なことなのかもしれない。あとは、現実に生きる我々が何を学ぶか、だ。(でも現実には、そのまんまの理想論を持ち込まないでね。まったく非建設的で不毛だから)

2016/12/23

ミカママ

かなり時間をかけてゴミ問題を取材されたんだろうけど、それと恋愛をからめたのに無理がありすぎ。男女のせりふもなんだか古臭くてぎこちないし。苦笑 やっぱり「三たびの海峡」が最高傑作だったな、この作家さんは。

2012/06/26

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