妖説太閤記 下 (講談社文庫 や 5-23)
妖説太閤記 下 (講談社文庫 や 5-23) / 感想・レビュー
星落秋風五丈原
「妖説」というより、これはもう「小説」と言ってしまっていいくらい、いつもの作品より、随分と妖しさを排除した文章と登場人物だ。曠野で始まり曠野で終わる。最初の曠野は他人が荒らした後だが、最後の曠野は自らが招いたものか。夢の中に登場するので判然としない。最初は予想もしなかった人物が最後に天下を取る所。川のほとりで考える、まだ天下とは無縁の劉備から始まり孔明自らが戦った、広々とした五丈原で終わる吉川英治が書いた『三国志』。今まで考えた事がなかったが、本書は、始まり方と終わり方が吉川版『三国志』に非常に似ている。
2006/03/04
ポルコ
アンチ秀吉を描きつつ、所々で秀吉への愛を感じる。山田風太郎らしい、石川五右衛門の忍術話やら、エロ描写やら、実在の有名人たちの多彩なエピソードやらで、ボリュームたっぷりの名作小説だった。
2017/04/18
かずお
★★★★☆ 面白かったし、晩年の秀吉の迷走が納得感あった。精神も老化するのだなぁとしみじみ思う。 人間としての全てをさらけ出した秀吉に羨ましさを感じつつ、自分はどうやっても取り繕ってしまうんだろうな。そこに秀吉の人間としてのスケールの大きさを感じた。
2016/12/10
ユウユウ
晩年の秀吉の痛々しい感じがよく描かれていると思う。
keisuke
秀吉の全ての行動原理を「女」としたら。ちょっとしんどくない?もあるけど面白かった。
2024/04/18
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