ヴォイセズ,ヴァニーユ (講談社文庫 あ 90-2)
ヴォイセズ,ヴァニーユ (講談社文庫 あ 90-2) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
赤坂真理は4作目だが、小説は初めて。表題の2つの中篇と、短篇を1篇収録。表題作はともに身体感覚を描く。その意味ではちょっと山田詠美に似ていなくもない。ただし、こちらの方がより皮膚感覚的だろうか。どちらも身体が開かれてはいるのだが。この「開かれている」というのは、不特定の他者に対してではなく、自らの感覚の解放なのであるが。2篇共にちょっと変わった愛のあり方を描くが、「ヴァニーユ」は、マゾヒスティックで自己完結的であり、「ヴォイセズ」は他者との関係性の中に自己があるといえるだろうか。可能性は感じる小説だ。
2017/11/05
ミツ
人間の知覚への異常なこだわりと、卓越した言語感覚で書かれた言葉によって描き出されるイメージが鮮烈な著作。 感覚的な物事を周到に計算された複雑な論理へと還元することができる、かなり頭のいい人だと思う。 身体と知覚、言語とコミュニケーションについて、突き詰めて考えられている。佳作。
2010/05/01
あおきめ
精神的苦痛を身体の痛みとして表現。 失われた者だけの特権、がなんとなくぐっときた。
2018/11/17
ぶらしゅうへい
第六感を超えた感覚を部分的に楽しめた。
2017/06/10
こ
感覚的な描写に、飲み込まれそうになった。とくに、『ヴォイセズ』は、読んでいるだけで、頭がくらくらした。ささやかな話だけど、共感できる部分が多かったので。
2012/09/16
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