フーコー: 知と権力 (現代思想の冒険者たちSelect)
フーコー: 知と権力 (現代思想の冒険者たちSelect) / 感想・レビュー
ころこ
冒頭から、ゲイだ、ゲイだと連発しています。当時はポストモダン的なエピソードとして書かれたのでしょうが、現在のLGBTの文脈からすると微妙な表現といえるでしょう。哲学的な議論にあまり費やされておらず、僅かにある議論も表面的で、哲学の言葉を使ってあまり考えることのなに文章がかけるんだな、と不思議な感じです。視線がジャーナリスティックで、伝記のようでもあり、以前、苦労して読んだ印象と余りにも違うので、この間、目利きができるようになったと良い方に考えます。
2019/06/24
masabi
三度目の読書。それにもかかわらず新しい発見がある。権力によって形作られる主体はその権力の存在に気付かず、権力関係の網の目でもがくしかない。権力への抵抗も絶対的な権力が存在しない以上、絶え間ない永久の抵抗しかなくなる。では近代的権力が張り巡らされる前の主体といえば…。フーコーは朋友愛を手掛かりにしようとしたようである。
2016/06/15
masabi
思想から生涯までフーコーについて幅広く扱う。当時の時代や思考枠組みに制限されるのでその背景までも解釈の対象にしなければならない。狂気、言葉、処罰、権力。
2014/12/28
りょーや
序盤のセクシュアリティやゲイの話と、人生のエピソードの描写が長い。確かに大事だがもっと思想と哲学に言及して欲しかった。難しくて大まかにしか読めていないが、もっと良い入門書はあると思う。もうちょっとフーコーを分かってから読むと読みやすかったかな
2020/05/27
yutayonemoto
いい。とてもいい。引用の仕方が分かりづらいところが多かったか。翻訳も作者がしているのである程度は仕方ない。P295のインタビューへの応答に涙腺が緩んだ。「私の役割―などといったらあまりにも仰々しい言葉なのですが―は、人々に、自分で考えているよりもはるかにずっと、あなたたちは自由なんだよ、といったり、歴史上のある時期に作り上げられたテーマを真実だとか、明らかだとか思い込んでいる人々に、あきらかであるとされていることなんて、いくらでも批判できるし、くつだえせるものなんだよ、と示してやることにあるのです。」
2014/05/09
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