KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

漱石先生の手紙 (講談社文庫 て 8-14)

漱石先生の手紙 (講談社文庫 て 8-14)

漱石先生の手紙 (講談社文庫 て 8-14)

作家
出久根達郎
出版社
講談社
発売日
2004-07-01
ISBN
9784062748087
amazonで購入する Kindle版を購入する

漱石先生の手紙 (講談社文庫 て 8-14) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

さらば火野正平・寺

私は山田風太郎の読者であったので、風太郎が乱歩と共に慕う漱石にも静かな好感を持っていた。小説は『坊っちゃん』位しか読んでないのだが。漱石の味わい深い手紙を紹介してくれるのが出久根達郎という最適の人選。古いものを並べるのが流石に上手いのだ。紹介された手紙はどれも名言があり、読者宛でもないのに万人に通用するのが素晴らしい。私信と他愛のない思い出が多く残っている史上の人物というのは実にチャーミングである。仕事のみならずキャラクターも残る人は魅力的なのだ。解説が児玉清なのも懐かしく嬉しい。良書。お勧め。

2014/10/20

レモングラス

再読。生涯に二千五百余通もの手紙を残した漱石先生。どの手紙も教えに満ち、笑いも沢山。産まれてくる子の名前を考えてほしいという奥さんへの返事は、著者の出久根達郎さんも、手紙の紹介の後に、ずいぶん浮かれております、と書かれている。読者への返事「永く生きて居て下さい」や、武者小路実篤さんへの手紙は、一度読むとずっと心に残り支えてくれる。児玉清さんの解説も何度も読み返すくらいにいい。手紙は短編小説に似て実に難しい。簡潔にして要を得ていて、しかも楽しく、書き手の個性が横溢して、読み手の心を掴む手紙は少ない、と。

2020/07/31

冬見

いいなあ。私も手紙を書きたいな。漱石は生涯に2500余通もの手紙を残したらしい。まじめに語ったり、腹を立てたり、軽口を言ったり。文学者として、師として、友人として、夫として、父として、そして一人の人間として……様々な漱石の顔を垣間見れる。子どもの名前について留学先のロンドンから送った手紙の喜び浮かれた文章や借金の申し込みに対する返信、子規とのやりとり、門下である芥川や久米に向けた言葉など、人柄が表れていて好き。武者小路実篤へ宛てた手紙は、その後の彼の人生を考えると感慨深いものがある。

2018/03/15

人間万事塞翁が馬ZAWAZAWA

短編です。著作権の保護期間が50年過ぎると青空文庫では、無料で読めるのでお勧めです。「こころ」に続きタブレットで読みました。慣れてくるとタブレットもなかなか良いですね!

2013/05/13

Ryoichi Ito

漱石の手紙のうち2500通余が全集などで公開されている。驚くべき数だ。しかし,彼は毎日数通から多い時は20通ほども書いたというから生涯では数万通もの手紙を書いたに違いなく,そのうちのごく一部が残っているに過ぎない。それでも,その一部を読むだけで漱石の人柄にじかに触れる感じがする。漱石は友人,知人はもちろん,見ず知らずの人に対してさえ,懇切な,時には異常に長い手紙を書いた。出久根はこれを「幼時,肉親の愛情に飢えた体験を持つ漱石が相手に愛をあたえるというより,愛情を求める心の裏返し」ではないかという。

2018/09/30

感想・レビューをもっと見る