羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫 む 6-29)
羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫 む 6-29) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
村上デビューが遅かったので、アトランダムな順序で読むことになった。これは村上春樹33歳の作品。文体は、やはり比喩を多用しているものの、その後の作品と比べると随分控えめでおとなしいという印象。その一方で、構想の構え方はなんとも仰々しい。もちろん、わざとなのだが。瀕死の床にある裏社会のフィクサー、日本にはいないはずの羊。そして、その対極にいる凡庸な「僕」。さて、下巻では物語はどのように収斂していくのだろうか。
2012/05/31
zero1
何度目かの再読。三部作はこれで完結。本書は三島が自決した1970年11月25日の見出しで始まる。29歳の「僕」は離婚。スリップで喪失感を表現している。その後、耳の素敵な彼女ができる。鼠から送られてきた写真がきっかけで、「僕」は星の紋章がある羊を彼女と探しに北海道へ行く。タイムリミットは最初二か月。その後「先生」の病状で一か月に短縮。村上作品の中では明快で読みやすい。右翼の「先生」と鼠は羊とどんな関係にあるのか?神様の電話番号は私も知りたい。「群像」と単行本、「全作品」では内容に一部違いがある。下巻に続く。
2019/02/01
ミカママ
相変わらず男前な主人公にまた会いたくて、再々再読くらい。なんとなく自分の中でこの主人公は村上さんご本人なんだよなぁ。(笑) 何度読んでも落ち着きます。
2013/12/29
射手座の天使あきちゃん
村上春樹さん ほとんど読んだことが無かったけど素晴らしいですねぇ、一言一句にファッションのごとく最先端のトレンドをまとわせた比喩表現! ちょっと待って、その言い方決して褒めてないでしょう!? えっ、分かりました? <(^_^; いやぁ、めちゃくちゃ面倒臭いですもん嫌になっちゃう! でも右翼の大物が登場してから俄然面白くなって一気にスピードアップ この勢いで下巻行きま~す♪
2017/09/26
tokko
「奇妙な男」や「先生」のような、圧倒的な力を持った存在が印象的だ。「凡庸」な人間が「組織(制度)」に否応無しに突き動かされる。なぜ「羊」でなければならなかったのか、そんなことを考えながら下巻を読もう。
2011/07/05
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