夜かかる虹 (講談社文庫 か 88-2)
夜かかる虹 (講談社文庫 か 88-2) / 感想・レビュー
けぴ
角田光代さんは初期の作品から概ね読了していますが、これは未読でした。姉妹の確執を姉視点で語る『夜かかる虹』と掴みどころのない男についていき自動車で放浪する『草の巣』の二編。直木賞受賞前の作品で最近の著作と比較すると会話文が少なく読むのに時間がかかる。特に『草の巣』は芥川賞狙いかという難解な世界観でした。
2023/05/28
ミカママ
再読だった。積ん読本が文字通り山積みの中、再読なんてしてる場合じゃないのに、角田さんの作品はやっぱり読んじゃう。解説にもあるように、角田さんの作品は次から次へと「だめだめな人」が出てきて、なんていうか身につまされるんです。この作品は比較的初期のものなのか、少々文章が硬いような。それとあんまりお料理シーンがなかったのが残念。
2013/08/27
巨峰
とことん性格の悪い人間か、とことん適当な性格の人間だけしか出てこない印象の角田さんの小説。「夜かかる虹」の主人公の性格の悪さは空前絶後とんでもないです。全て彼女の妄想的悪意が引き起こした事柄と思えた。「草の巣」はスナックで働く適当系の女性とあまりにもさえない客の中年の男との道行き的ロードノベル。でも、遠くにいくわけじゃないwなんだかんだ言いながら角田さんの小説を読んでしまうのは、自分にないから珍しいのか、自分が気づいてないだけなのか、それとも文章が上手いからか。
2010/10/31
水色系
中編2篇。表題作、見た目はそっくりだが性格はぜんぜんちがうという妹、リカコ。小さいときにいじめていた妹は、大人になった今、姉の手にするものごと(男まで!)を何でも横取りしていく。なんやろ、私はむしろある種の同族嫌悪みたいなものをこの姉妹間から感じ取ったわ。ざわざわする。
2021/09/21
なつ
ざわざわと心をなでられる感じ。なんとなくわかるような感情。薄暗い路地裏みたいな感じなんだけれど、だれかの日常をみた感じもする。どこか痛い、苦しい。だけど見覚えのあるような、そんな短編集だった。
2017/02/23
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