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背く子 (講談社文庫 た 96-1)

背く子 (講談社文庫 た 96-1)

背く子 (講談社文庫 た 96-1)

作家
大道珠貴
出版社
講談社
発売日
2004-11-01
ISBN
9784062749275
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背く子 (講談社文庫 た 96-1) / 感想・レビュー

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深沢商店

3歳ほどの、少女ともいえないような年齢の主人公・春日(かすが)。春日の見る世界は、家族、近所の親戚、同年齢の子供たち、幼稚園……がすべてではあるけど、子ども扱いする大人たちに反し、冷静にまわりを見つめている春日の大人びた視線が、切ないながらも楽しい。九州という舞台もあるのだろうか、悪い意味じゃない、大人たちのガサツさと、子供たちの可愛いだけじゃないたくましさ。この辺がきっと大道さんの真骨頂で、ドロドロ感と清々しさのバランスが心地よかったです。

2015/12/05

晴れ女のMoeco

自分より「弱い」者に対して威張る暴君の父親と、その父親の顔色を伺う母親…を、醒めた目でみる子どもの話。この年になって読み直すと、子どものころの親子関係って、男女関係の価値観に影響を及ぼすんだよね。男尊女卑の父親をかっこ悪いもの、とみてるのに、主人公もいつの間にか、女や、自分が女であることも嫌うようになったり「結婚なんかせん」っていうセリフ…やだ私と気が合いそう!威張る男の機嫌を伺う主人公母親も、子どもにいい影響を与えないけど。 読み終わったあと、私に結婚願望が湧かないわけだと、奇妙に納得してしまった一冊。

2015/05/25

平坂裕子

春日の冷ややかな視線と、生臭い大人たちの姿に、何度も読みやめようと思いながらも、最後まで読んだしまった。ダーリンの綺麗な手と、マーミーの子供服を全て手作りしたり、毎日の完璧な食事の用意だけは良かったんだけど。

2017/08/25

佑依-Yui-

同僚のお姉様にお借りした、初・大道珠貴。子供を見くびって性生活に励み、時に参加させる両親を冷淡に客観視する主人公の春日(3歳)。幼さが無く体温を感じさせない顔立ちの彼女は弟が産まれてからも、新たに出逢う大人達からは不当な扱いを受け続ける…。子供は大人が思うよりも多くの事を感受しているのは事実としてあって、現に自身の子供時代を振り返っても間違いではないけれど、3歳の少女に語らせる一人称形式がどうしてもフィクション感を煽るのだよなぁ。純文学の中でも、とどのつまり何が言いたいのかが掴めない感MAX!でした。しか

2017/07/27

桜響

極端に自己中に描かれた父親。ところどころ「ん?自分にも共通点あるぞ」って感じ、それを冷ややかに見る春日の描写で、自分の娘が子供のころに、大人の立場で無理に言うことを聞かせた時の顔が想いだされてドキッとした。女の子は3歳でも心は大人と同じ?怖いねぇ。。。

2013/04/20

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