鎖国してはならない (講談社文庫 お 2-12)
鎖国してはならない (講談社文庫 お 2-12) / 感想・レビュー
belier
『言い難き嘆きもて』と同時期に出たエッセイ集。表題の通り、新しい鎖国の思想が現れたことを憂いてる。自立した個の横のつながりより、上からかぶさってくる国家的なネットに包まれることを好む人が現れて来たと嘆く。広島、長崎につながる日本人のモラルはすでに壊れたとし、再建できるかが問題だという。自己中心的な思い込みではなく、痛苦をあじわいながら学んだ柔軟な自信をつけよと説く。また、東海村JCO臨界事故があった頃で、原発について全面的な情報公開をせまるだけの実力をマスコミや市民は持っているかと問う。残念ながら全て..
2024/01/31
sa-
大江さんのエッセイや講演集を読んでいると、読書への真摯な意欲が湧いてきます。今回の本はかなり難しかった。福沢諭吉は「学問のすすめ」しか知らなかったし、”民主主義”への考察とその歴史的な変遷にも愕然としました。自立した人として、想像力と考える力の必要性も痛感。要・再読書です。「ヒロシ・マノート」も。
2010/09/10
hose1239
核時代に生きる人々へ贈る、戦後民主主義者の文学者からのメッセージ
2011/06/04
麦茶
まだ消化しきれていない。歴史観等、参考になりました。
2009/07/12
eucalyptus
講演集であるこの本に次のような一節がある。「イチローがメジャーリーグの凄いバッターに、「バッティングとは何だ」と訊いた、というんです。そうすると、「自転車に乗ることをオボエルみたいなものだ」といわれたということです。その話を、イチローさんが新聞記者に話したのらしい。しかし、どうもイチローさんはよくわかってない、と私は思った。新聞記者もよくわかってないわけです。メジャーの選手はどういいたかったかというと、バッティングというものは、人に質問するようなものじゃない。人のいうことを真似たりするものでもない。続く
2024/03/15
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