天使の背徳 (講談社文庫 て 14-2)
天使の背徳 (講談社文庫 て 14-2) / 感想・レビュー
紅はこべ
時代は前作より20数年前。殺人事件あり、司祭兼詩人の謎めいた人物像あり。ミステリ要素は充分。最も印象に残るのは語り手の牧師の中年の危機。愛欲の悩みがリアルに描かれる。濃密な心理描写が小説の主で、その分謎解きはエピローグであっさりと済まされている。
2009/07/09
飛鳥栄司@がんサバイバー
ミステリというよりも、ゴシック・ホラーの雰囲気を強くだした作品に様変わりしている。シリーズ1作目『天使の遊戯』の登場人物である司祭の過去を描いており、なかなか興味深い。また『天使の遊戯』で誘拐事件の主犯格のエンジェルについても書かれているが、エンジェルの深層にまで達しておらずこちらはとてももどかしい。『天使の遊戯』からの謎は解けつつあるものの、本作で新たに謎が生まれたこともあり、3作目を読まざるを得ないのだ。怪しい詩人や司祭のさらに秘められた過去など、次作で全ての伏線が回収されているのかが楽しみである。
2015/02/16
シーラ
三部作、二作目。だから、「師父さま(ファーザー)」と呼びかける娘、ローズマリーが怖い。そしてディヴィッドの煩悩が怖い。更に過去に遡る次作、何があるのでしょうか。既にミステリではないですね。
2018/05/01
ami...07
三部作というのを知らずに購入。どれから読んでも良いというのでさっそく読破。個人的に殺人事件が起こり、それを推理して解決していく物だとばかり思っていたので、ビックリ。聖職者でありながら、隣の若い女に溺れていく。また、小さな町独特の監視しているのうな嫌な雰囲気も作中に溢れていた。他の二つの作品も読んでみたい。
2016/01/09
キムチ
人の心の不可解な裂け目を描いている。それが積み重なって精神的異常をきたしていくのだろうが・・途中その懊悩がつかみ辛くって・・
2012/06/03
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