レッスンズ (講談社文庫 た 65-5)
レッスンズ (講談社文庫 た 65-5) / 感想・レビュー
あつひめ
自分に足りないものを見つけたようなマリエ。動物は誰かに教えられた訳ではなくても本能がそうさせるのか生きるための知恵を振り絞って子育てをしていく。人間は、身勝手だったり、弱虫だったりで自分の方からその手を離してしまう人もいる。その離されたのがマリエとリコかもしれない。心が弱ると、素直にはなれなくなるんだなぁとこの物語のラストまでその気持ちが離れなくて、あまり読後感はよくないけれど、雪山を登り切り、自然の猛威と優しさに触れて自分を包む殻を割ってくれたらいいなぁと感じた。現実でもこうして悩む人は多いのかもな。
2012/08/20
なつ
成長をしたのはマリエの方か。それともリコか。二人が求めた先は母性か馴れ合いか。人(リコ)との出会いによって少しずつ変わっていくマリエ。悪くはないけれど、なんだか不完全燃焼。なんかモヤモヤする。
2017/03/14
豆乳くま
家庭に問題があり情緒不安定な中三のリコの家庭教師になった動物生態学専攻の院生マリエ。アル中の母の不安定な精神に引きずられリコの心は揺れ、マリエの心を刺激し何故か惹きつけられていきます。全体に流れている負のエネルギーが受けつけず何となく言わんとしてる事はわかるけど、感情移入できず最後まで苦しいばかりでした。
2012/06/15
ジュール
精神の不安定な少女、リコと家庭教師のマリエ。 母親への複雑な感情からマリエに依存するリコ。 途中までは結構ややこしい人間関係でなかなか読み進められなかった。 でも最後の章でマリエが下北のプレハブ小屋でフィールドワークを始めてから、景色が変わり、一気に読み進めた。 山小屋に行く途中、雪の中に倒れたリコを助けようとしないマリエ。 誰もいなければ自分でするしかない。 ここが爽快。 それと理系の話おもしろし。
2015/06/25
苦虫
新しい作者に挑戦してみたくて、図書館でジャケ借り、最近蜷川実花が好きです。でもアンソロジーで読んだことあるかもな、記憶にないけど。生態学研究者の女子大学院生カテキョと崩壊してる家族のJC生徒の心温まるストーリー、というのが多分売りなのだろう。だが登場人物のリア充感と「私、かわいそうでしょ」感が鼻についてあまり楽しめなかった。←これは村上春樹に共通するのかも!!!ただ、ちょこちょこ出てくる生態学の話が面白くて読めた。母性。理系はやっぱり憧れです。
2012/10/02
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