KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

ぼくらのサイテーの夏 (講談社文庫 さ 83-1)

ぼくらのサイテーの夏 (講談社文庫 さ 83-1)

ぼくらのサイテーの夏 (講談社文庫 さ 83-1)

作家
笹生陽子
出版社
講談社
発売日
2005-02-15
ISBN
9784062750158
amazonで購入する

ぼくらのサイテーの夏 (講談社文庫 さ 83-1) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

へくとぱすかる

学校の階段を何段飛びおりられるか、って遊びは男子なら一度はやっている。ケガしたらどうする? なんて、思ったことなかったなぁ、そういえば。6年生の夏とくれば、楽しいこともあっていいのだが、罰として毎日プール掃除とはつらい。それも片腕ギブスなんだよ。ちょっと厳しずぎるのでは。で、過ぎていく日々のうちに、あんなやつと思っていたのが、お互いの家庭を知ることで、少しずつ変わっていく。「ぼく」桃井(名前が書いていない? よね)も、中学生のあにき、よくありがちな父母との、どこの家庭にもありそうな夏が続き、そして……

2021/12/09

みっぴー

夏が終わる前に!と思い、タイトルに『夏』がつくものを(^^;)家族を題材にした話で、不登校やちょっと問題のある家庭を扱った、なかなか重い話でした。小学校六年生の桃井が、危ないゲームをした罰として、夏休みの間にプール掃除をすることに。なぜか一緒に掃除することになった栗田との交流を通して、家族と向き合う話でした。小学生の頃を振り返れば、クラスの子供の数だけ家庭があって、きっとそれぞれの問題や悩みがあったんだなぁと、しみじみ。自分の家族を守り育てるのは、親として当たり前なんかじゃなく、偉業だと思いました。

2017/09/18

七色一味

読破。本の薄さを感じさせない充実した作品だったかと。タイトルと装丁に惹かれたけど、当たりの本でした。なんとなくイケ好かない──そんなつまらない理由からライバル視してしまう幼なさや、ほんの些細な──夜、公園で偶然に出会う、そんな些細なできごとからいつの間にか友情が芽生え育まれる──そんな不可思議で当たり前な少年達の感情を、家族の問題を背景に据えてサラリと、瑞々しくまとめた良作です。

2013/06/01

ももたろう

主人公のお兄ちゃん、これって教育ジャーナリストの青木悦さんの「幻の子ども像」だ。子どもってほんとにいろいろ分ってるし考えてるしよく見てる。最初はくだらないことに命かけちゃってる暑苦しい「ザ・小学生男子」だと思ってた主人公だけど、優しくて逞しくてすごい健気だ~!親もまわりの大人も誰も気づかなかったけど見えない所でちゃんとそういう力が育ってたんだよね。子どもを植物に例えた話しが出てたけど、根っこをちゃーんと深く大きくじっくり育てることが大事なんだ。無関心でも栄養過多で早く花を咲かせようとしてもダメなんだよね~

2016/11/18

雪丸 風人

危険な遊びの罰として、プール掃除4週間の刑になった少年が主人公。踏んだり蹴ったりだった夏のあいだに、彼は思わぬサイコーの体験をするのでした。ワケアリ家庭の少年たちの再生の物語。母親の言葉かけがひどすぎてあんぐりですね。兄がおかしくなり家庭が壊れていく中で、主人公が頑張って支えようとするところは良かった。込み入った問題が一気呵成に解決へと向かう展開は微笑ましい感じです。この本でいいなと思ったのはこんな叫び。「生きていることが楽しくないのは他人のせいじゃない。お前のせいだ!」(対象年齢は11歳以上かな?)

2020/12/13

感想・レビューをもっと見る