空を駆けるジェーン (講談社文庫 む 6-31)
空を駆けるジェーン (講談社文庫 む 6-31) / 感想・レビュー
ムッネニーク
142冊目『空を駆けるジェーン』(アーシュラ・K・ル=グウィン 著、村上春樹 訳、S.D.シンドラー 絵、2005年3月、講談社) 「空飛び猫」シリーズの第4巻。うっかり3巻を飛ばして読んでしまったが、ストーリーが大切な絵本ではないので特に問題はなかったように思う。 1人の少女が都会で自立するようになるまでを寓話的に描いた物語。このオチでは自立というテーマを表すには不十分ではないかとも思うのだが、児童向け絵本であることを考えればこれで十分なのかも知れない。 〈みい、みい、みい、みい、みい、みい、みいい〉
2023/11/20
ケイ
この小説の猫たちの話は大団円とは少し違う。猫は、本来気ままなもの。兄弟や友達がいるからって、冒険したい女の子は気ままなもの。危険もへっちゃらで、少しくらいの危険もものともしないジェーン。各巻とも、訳者の村上春樹の訳注と解説がかなり詳しい。解説にいたっては、村上春樹のレビューみたいなものだから、彼がこういう本をどう読むか作者をどのように見ているかがわかって、それもまた楽しめる。
2015/05/31
ちびbookworm
★3.5.第4作目。原題「JANE ON HER OWN」。「ON HER OWN」=「自分の責任で好きなように行動する」「自立する」◆黒猫ジェーンは、平和だけど退屈な農場の毎日にあきあきして、危険な大都会へ飛び立ちます。◆出版された1999年。著者が背中を強く押したい女性たちがいたのでしょうか?◆それとも、平和で居心地の良い場所(コンフォートゾーン)を離れて飛び立つ、すべての「空飛び猫」たちへのエールとして、本書を書いたのでしょうか?◆著者は「かなり意図的に寓意的に物語を作る」と村上氏の解説が頭に残った
2022/06/04
NAO
【寅年に猫本を読もう】空飛び猫シリーズ2作目は、翼を持つ猫5兄弟の末っ子ジェーンの自立を描いている。大都会の喧騒を逃れ農場で暮らす5匹の猫。だが、ジェーンには、農場での暮らしは退屈でならない。安逸な生き方で満足するか、経験や刺激や成長を求めて新たな動きを起こすか。この物語は、女性の自立と成長を描いているというが、自立への希求は、もちろん、女性に限ったものではない。
2022/01/02
tomi
シリーズ4作目は、広い世界を求めて都会へと飛び立ってゆく妹猫ジェーンの冒険が描かれる。特殊能力を持つ異端者が普通に生きることは困難だ。兄たちが危惧する通り、ジェーンも見世物にされてしまうが… 村上春樹の解説にも寓意やメッセージ性の強い作品と書かれているが、単純に挿絵も含めて愛らしく面白い。もう続編は出ないのだろうか。
2016/08/26
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